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コロナワクチン接種「時給最大18万円」の“特権階級”医師の人件費「診療報酬改定」でアップ、負担は国民へ

社会・政治 投稿日:2023.12.16 15:30FLASH編集部

コロナワクチン接種「時給最大18万円」の“特権階級”医師の人件費「診療報酬改定」でアップ、負担は国民へ

武見敬三厚労相(中央)は「日医のドン」と呼ばれた武見太郎氏を父に持つ(写真・時事通信)

 

 2年ごとに見直される診療報酬について、政府は12月15日、2024年度の改定で、医師の技術料や人件費にあたる「本体部分」を0.88%引き上げる方針を固めたことがわかった。

 

「2022年度の改定は0.43%の引き上げでしたから、大幅アップです。一方、薬剤費などの『薬価』は、0.96%程度引き下げ、『儲かっている』といわれる診療所の報酬も0.25%引き下げていますから、全体の改定率としてはわずかにマイナスです。マイナスでも、看護師などの賃上げは可能としています」(政治担当記者)

 

 

 ここに至るまで、0.2%の小幅アップを主張する財務省と、1%の大幅アップを求める厚生労働省・日本医師会(日医)の暗闘は激しかったようだ。

 

 2023年9月の内閣改造で、武見敬三参院議員が厚労相に就任。武見厚労相は、25年にわたり日本医師会の会長を務め、カネと票をチラつかせながら自民党と渡り合ってきた「日医のドン」こと武見太郎氏を父に持つ。しかも日医の政治団体「日本医師連盟」が、岸田文雄首相に1400万円、武見厚労相に1100万円のパーティー券を含めた巨額献金をしていたことが、11月22日の衆院予算委員会で明らかになり、「診療報酬に厳しく切り込むのは無理ではないか」(自民党議員秘書)と見られていた。

 

「結果をみれば、本体部分については、厚労省の意見が通った形ですね。しかし、日医も万々歳というわけにはいきません。医療費に無駄遣いがないか、世間の目は厳しくなっています。政府は2028年度までに年3.6兆円の少子化財源を確保するとしていて、医療介護の歳出改革も財源のひとつだからです」(前出・政治担当記者)

 

 これまで以上に野放図な使い方が許されないことは明白だ。経済担当記者が「その戒めにしてほしい」と指摘するのは2023年5月29日、財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」が、鈴木俊一財務大臣に手渡した「集団接種単価とコールセンター単価」という文書である。

 

「この内容に、世間があ然としたことは記憶に新しいところです。そこには、接種を担った医師の時給が最小は3404円、平均で1万8884円。最大で17万9800円との記述がありました。さらに、《コロナ発生以来3年間にわたり、コロナ病床確保のインセンティブとして、総額約5兆円の病床確保料が各病院に交付されている》として、平時の入院診療収益が病床1床あたり1日3万5974円なのに、重点医療機関のICUでは43万6000円と、12倍もの病床確保料を交付していたことが明かされ、多くの病院は利益率が大きく回復しました。非常時とはいえ、あまりにも巨額です」

 

 増額分は当然、診察料という形で我々にのしかかってくる。医療界だけ特別という特権意識は許されない。

( SmartFLASH )

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