安倍派キックバック議員の裏金はどこへ？ “御殿”を大公開…松野博一氏は4千万円自宅、世耕弘成氏は賃貸アパート

 

「岸田派にも、政治資金パーティー収入の不記載が明らかになりましたが、これまで鬱憤を溜め込んでいた東京地検特捜部はどこまでも切り込むつもりでしょう」（政治部記者）

 

　自民党最大派閥・安倍派（清和会）に蔓延している政治資金パーティー券の売上キックバック問題。

 

　松野博一前官房長官ら派閥幹部のほとんどを含む議員に、政治資金収支報告書に記載していない“裏金”が還流されていたことが明らかになっている。今回、裏金報道を食らったおもな「十人衆」の居宅を掲載したが、意外にも豪華絢爛な建物は少ない。

 

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　政治アナリストの伊藤惇夫氏はこう話す。

 

「なかには自宅の修繕費や愛人のために使ったり、収支報告書に記載できない私的な飲み代にしていた議員もいるでしょう。

 

　ただ、簡単に言えば『表で使えないカネ』ですから、選挙絡みの地元への“バラマキ”や買収に近い使い道がいちばん容易に想像できます」

 

　岸田文雄総理は世論の批判を受けて内閣改造をおこなったが、政治ジャーナリストの鮫島浩氏はこう話す。

 

「最初は『安倍派一掃』を仕かけた総理でしたが、政務官からは外すことができず断念しています。この時点で、与党内でも総理の求心力はガタ落ちです。

 

　いつ自身の派閥も特捜部に撃たれるかわかりませんし、年明けの通常国会での集中砲火は必至でしょう」

 

　逃げ隠れが得意だった自民党だが――。

 

●裏金報道があったおもな清和会議員「自宅＆不動産」（五十音順、敬称略）

 

●池田佳隆　57歳　裏金：4000万円超
［自宅］愛知県名古屋市緑区　※賃貸
［別宅］愛知県名古屋市北区　3600万円（建物のみ）

 

　公表している自宅は賃貸マンションの一室だが、「芸能人も住んでいる」（地元住民）という名古屋で有名なタワーマンションも所有していた。

 

●大野泰正（やすただ）　64歳　裏金：5000万円超
［自宅］岐阜県羽島市　2100万円（建物のみ）
［別宅］東京都品川区　7800万円（建物のみ）

 

　父・大野明、母・大野つや子はともに国会議員だった“世襲サラブレッド”。自宅は岐阜羽島駅すぐ近くのマンションの一室。別宅は母から相続した。

 

●塩谷立（しおのや・りゅう）　73歳　裏金：1000万円未満
［自宅］静岡県浜松市中区　1億5150万円
［事務所］静岡県浜松市中区　5880万円（建物のみ）

 

　自宅の広い庭には、立派な松の木が何本も植えられていた。安倍派座長で形式上のトップ。もちろんキックバックを知っていたはずだが……。

 

●世耕弘成（ひろしげ）　61歳　裏金：1000万円超
［自宅］和歌山県新宮市　※賃貸

 

　駅徒歩30分ほどの家賃5万円弱の賃貸アパートを自宅として公表。自民党参院幹事長で、「志願者数日本一」を謳う近畿大学の理事長の“自宅”とはとうてい思えないが……。

 

●髙木毅（つよし）　67歳　裏金：1000万円超
［自宅］福井県敦賀市　3274万円

 

　古びた母屋の手前に最近建てられた3階建ての「離れ」には、娘家族が住んでいる。父は元敦賀市長で地元の名士。

 

●谷川弥一　82歳　裏金：4000万円超
［自宅］長崎県長崎市　4300万円

 

　裏金疑惑直後の本会議中に爆睡して、猛批判を浴びた。古風な豪邸には、後から改築したと思しき頑丈な門が設けられていた。

 

●西村康稔（やすとし）　61歳　裏金：1000万円未満
［自宅］兵庫県明石市　2200万円（建物のみ）

 

　地元有数の巨大マンション。一部週刊誌に、官僚を“サクラ出席者”に仕立てた「架空パーティー」開催疑惑を報じられるも本人は否定。

 

●萩生田光一　60歳　裏金：1000万円未満
［自宅］東京都八王子市　5300万円（土地は父親名義）

 

　2022年は旧統一教会問題との関係でも非難を浴び、裏金疑惑にも当然のように名を連ねた。自宅周辺一帯は、父親が広く土地を所有している。

 

●橋本聖子　59歳　裏金：1000万円超
［自宅］千葉県大網白里市　3920万円（夫が所有）

 

　清和会元会長の森喜朗氏と懇意。官房機密費での買収疑惑が浮上した東京五輪でも、大会当時に組織委員会会長を務めていた。

 

●松野博一　61歳　裏金：1000万円超
［自宅］千葉県市原市　4710万円

 

　国会で野党提出の「不信任案」が否決された2日後に、自ら官房長官職を辞したことで、よりいっそう国民の怒りを買った。自宅は築17年。

 

※「裏金」金額は報道されたもの。不動産金額は本誌調べ。

( 週刊FLASH 2024年1月2日・9日・16日合併号 )