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「派閥解消」加速で持ち上がる「石破茂首相」誕生の現実味 高い国民人気も壁は党内に残る“派閥力学”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.01.19 17:30 最終更新日:2024.01.19 17:30
1月18日に、岸田文雄首相が表明した「宏池政策研究会(岸田派)」の解散検討表明。これに、自民党内が大揺れだ。
「自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、宏池会が約3000万円を派閥の政治資金収支報告書に記載しなかったことから、19日に宏池会の元会計責任者が略式起訴されました。前日の18日昼すぎ、起訴が濃厚になることを知った岸田首相が『政治の信頼回復のため』として、同派の解散に言及したのです。しかし、他派閥のありようについては『何か申し上げる立場にない』とも述べています」(政治担当記者)
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今後、派閥はどうなるのか。自民党議員秘書は「派閥解消の流れが加速するのではないでしょうか。派閥維持を唱えれば『守旧派』のレッテルが貼られて、悪者扱いされそうです」という。一方、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「派閥は解消されたように見えても『勉強会』などに形を変えて、維持・結束することがあります。どこまで解体されるのか、見極めが必要です」と指摘する。
派閥がなくなることにより大きな影響が出そうなのが、2024年9月に予定されている自民党総裁選である。
「派閥の力の源泉のひとつが、派閥から総理総裁を輩出することです。派内が分裂して一本化しないこともありますが、定石では派閥のトップが候補者になり、一致団結します。しかし派閥がなくなれば、この“縛り”がなくなるので、各議員はフリーハンド、自由意志で投票するようになります。そうすると、世論調査や地元有権者の意見などを無視できなくなるので、“どんでん返し”が起きる可能性は高くなります」(自民党関係者)
その“恩恵”をもっとも受けると見られているのが、石破茂元党幹事長だという。たしかに、石破氏は世論調査でつねに「次の総理大臣候補」のトップになっている。そのため、これまで4回挑戦した総裁選では、党員党友による地方票ではトップになることはあったものの、派閥単位の応援が得られず、国会議員票が伸びずに苦杯をなめていた。
自民党議員からは「後輩の面倒見が良くない」「一緒に飲んでも政策論ばかりでおもしろくない」などの評価はあるが、派閥がなくなることにより“悲願”が達成するかもしれない。伊藤氏は「自民党がどこまで追い詰められているか次第でしょう」という。
「自民党が、政権から転がり落ちるほど危機的な状況であれば、石破氏に限らず国民的人気が高い候補者を選ぶことも考えられます。そうでなければ、派閥がなくなっても残る“派閥力学”のようなものが働き、従来のような総裁選になると思います」
派閥解散は、ポスト岸田にも大きな影響を及ぼしそうだ。
( SmartFLASH )