社会・政治
補選ラッシュの衆議院「6月解散総選挙」なら当選議員は在籍わずか60日の“悲哀”過去には在籍「9日」の議員も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.02.01 18:05 最終更新日:2024.02.01 18:10
2023年4月の東京都江東区長選挙をめぐり、公職選挙法違反容疑で東京地検特捜部に逮捕・起訴された柿沢未途被告が2月1日、衆議院に議員辞職願を提出。午後の衆院本会議で辞職が認められた。
「これにより、柿沢氏の選挙区だった東京15区、病気で亡くなった細田博之前衆院議長の島根1区、政治資金規正法違反の虚偽記載で東京簡裁から罰金30万円、公民権停止3年の略式命令を受けた谷川弥一前衆院議員の長崎3区で、補欠選挙がおこなわれます。日程は4月28日が有力です」(政治担当記者)
【関連記事:飲酒運転「雪食べてごまかし」議員辞職の過去も…柿沢法務副大臣が辞職 「遵法精神ない人なぜ任命」の唖然】
いずれの選挙区でも、自民党候補にとって苦しい選挙になることは想像に難くないが、気になるのは補選で当選した議員の「在職期間」である。
「6月にも、解散総選挙があるのではないかといわれているためです。4月10日、岸田首相は夫人とともに国賓待遇でアメリカを訪問します。日本の首相が国賓待遇でアメリカを公式訪問するのは、2015年の安倍晋三元首相以来、じつに9年ぶりのことです。自民党内ではこの訪米が“追い風”になるとみています。
そして6月には総計3兆円半ばの規模となる所得税・住民税の定額減税があります。併せて、3月の春闘で5%に近い賃上げが実現すれば、国民所得の伸びが物価上昇を上回ることになります。支持率もアップすることが予想されるからです」(同前)
そうなると、4月28日の補選で当選した議員は、わずか60日ほどで「失職」することになる。衆院議員の任期は4年だが、現行憲法下の平均在職日数は1020日(約2年10カ月)。最近では2014年11月に、安倍晋三政権下でのの衆院解散があり、このとき、前回の総選挙(2012年12月)で当選した議員の在籍期間は1年11カ月と短かった。
衆議院の広報によると「最短の在職は明治時代の小磯忠之輔(ちゅうのすけ)という衆院議員で、9日の在職だった」という。調べてみると、1893(明治26)年12月22日の衆議院議員補欠選挙で当選。しかし12月30日に議会は解散したようだ。
現行の憲法下ではどうだろうか。衆議院の広報は「統計がありません」とのことだが、朝日新聞などによると、戦後最短の衆院議員在職日数は165日となっている。
「当時は吉田茂首相でした。1952(昭和27)年10月1日に『第25回衆議院議員総選挙』がおこなわれましたが、翌年の2月28日、衆院予算委員会で吉田首相が質疑応答中の社会党の西村栄一議員に『バカヤロー』と言ってしまったのです。これが発端となり、3月14日に衆議院は解散します。いわゆる『バカヤロー解散』です」(永田町関係者)
いま、永田町では選挙の風が吹いていない「凪」の状態だが、岸田首相の胸の内は、はたして……。
( SmartFLASH )