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『毎日かあさん』西原理恵子氏の“毒親”素顔を作家・生島マリカ氏が証言「お前はブス」「家を出ていけ」娘を“飛び降り”させた暴言虐待の9年間
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.02.06 06:00 最終更新日:2024.02.06 06:00
「7月29日にアパートから飛び降りして骨盤折りました。もう既に入院生活苦しいですが、歩けるようになるまで頑張ります」
2023年8月、突如Xで飛び降りたことを明かしたのは、鴨志田ひよさんだ(現在は削除済み)。
ひよさんの子供時代を知る読者は多いはずだ。一方、“毒親”が彼女に続けてきた“暴言虐待”を知る人は少ない――。
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漫画家・西原理恵子氏が、2002年から2017年まで「毎日新聞」で連載していた、大ヒット育児漫画『毎日かあさん』。西原氏が1男1女の子育てに奮闘する家族の日常を描いた同作は、2004年度には第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2005年には手塚治虫文化賞を受賞した、彼女の代表作のひとつだ。
作品の中で、西原家の長女「ぴよ美」として登場していたのが、ひよさんだ。西原氏の元夫で、2007年に死去した鴨志田穣氏との間に生まれたひよさんは、2歳のときに漫画に初登場。同連載の中では聞き分けのいい娘のイメージで描かれ、その後エッセイ『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』(KADOKAWA)では、反抗期を迎えたひよさんとの赤裸々な日常が綴られている。だが、
「あの漫画は嘘ばかりです。私は中学生のひよちゃんから、ずっと相談を受けてきました」
と語るのは、西原家と交流があった、作家の生島マリカ氏だ。
「飛び降りたのも、西原さんのせいで苦しんでいるからだとすれば、私がきちんと、あの母娘の本当の関係を話すべきだと思いました。
私がひよちゃんと知り合ったのは、2014年のことでした。西原さんから『娘が反抗期で誰の言うことも聞かないから、面倒を見てほしい』と、初対面のひよちゃんとLINEを交換させられたんです。彼女は当時14歳でした。そこから彼女との個人的なつき合いが始まって、その後いろいろな悩み相談を持ちかけられるようになったのです」(同前)
もともと『毎日かあさん』のファンだった生島氏だが、これ以後、西原氏とひよさんという、母娘の間で板挟みになっていったという。
「最初は『ひどい頭痛がするから病院まで付き添ってほしい』という相談でした。当然『お母さんに相談したの?』と聞いたら、『相手にしてくれないし、もし病院に行って何もなかったら怒られる』って。体調不良の娘を叱ることがあるのかと、そのときから不信感が芽生えたんです」(同前)
ひよさんの心に寄り添うように相談を受けるうち、残酷な日常が垣間見えてきた。
「当時から、ひよちゃんは『毎日かあさん』に自分を描かないでほしいと懇願していたんですよ。でも西原さんは、毎回それを拒絶。『お前のこと見てる奴なんていないから関係ない』という暴言を吐かれたこともあったそうです。『描かせないなら、お金は渡さないし、家を出ろ。大学の費用も出さない』などと、ひよちゃんに伝えていたんです。さらに、家では日常的に“ブス”などと容姿をイジられ、ひよちゃんは高校生になるまで『(自分が)一番ブスなんだなって思ってました』『やっと鏡とか真剣に見れるようになりました』と悩んでいました。思春期の娘にそんなことを言う理由ってなんなんでしょうか。どう考えても虐待ですよね」(同前)
さらに生島氏は、保護者代わりに世話することもあったという。
「ひよちゃんが、なぜ漫画に描かれるのを嫌がったのかといえば、漫画のせいで小学校時代からずっとイジメを受けていたからです。2017年には、高校で彼女の体操着や上履きが、男子トイレの便器の中に捨てられる事件が発生しました。学校側から保護者を呼ぶよう言われ、困ったひよちゃんが、私に対応を頼んできたこともありました。さすがに学校まで行くのは遠慮しましたが、当時私が住んでいた神谷町のファミレスにひよちゃんが来て、詳しく話を聞いたことをよく覚えています」(同前)
16歳の誕生日には、「いつもお母さんが食べている『久兵衛』のお寿司が食べてみたい」と言われ、銀座を代表する名店「久兵衛」で祝ってあげたこともあったという。
「彼女にとって、家庭は安心できる場所じゃなかったのだと思います。兄とあからさまに差別され、『お兄ちゃんがぼーっとご飯待ってても何も言わないのに、私は怖い言い方で感謝を強制されなきゃいけない』と嘆いていたこともあります。私は、大学へ進学する前にお母さんと仲直りしたほうがいい、とアドバイスしました。でもひよちゃんは、『お母さんと話すとき、呼吸がうまくできなかったり、自暴自棄な気持ちになる』と、深刻な様子でした」(同前)
生島氏とひよさんの交流は、第三者も見ていた。生島氏の知人男性はこう語る。
「ある日、マリカさんが当時高校生のひよさんを遊びに連れてきたことがあります。一緒にスケートとカラオケに行きました。驚いたのは、寝巻の上におばあちゃんのものだというコートを着てきたことです。おしゃれをしたい年ごろだろうにどうしたんだろうと……。ひよさんはマリカさんにすごく懐いていましたよ。ふだんから、“家庭の問題”を相談していたのも知っています」
だが、母親のようにひよさんに接する生島氏を、西原氏は徐々に敵視するようになっていった。
「ひよちゃんいわく、大学入学を間近に控えた時期に、私と会わないように西原さんと約束させられ『あの人は(西原氏の)ストーカーです』とまで言われたそうで……。私には心当たりがなく、西原さんに言動の有無と、私を悪く言う真意や理由を直接聞いたのですが、『そんな(ことを言う)暇ありません。間に入ってる感情は覗きたくもないし』と曖昧なLINEを返されました」(生島氏)
そこで生島氏は、2018年に「ひよちゃんのためになるならば」と身を引くことを決意する――。
それから4年がたった2022年6月、ひよさんがこれまで自身のブログなどで綴っていた“母との確執”が、SNS上のインフルエンサーによって取り上げられ、注目を集めた。
「ひよさんは12歳のときに“ブスだ”という理由で二重整形させられたことなど、数々の“仕打ち”を暴露していました。ひよさんは精神科に通うほど追い詰められ、児童相談所に相談することをすすめられたことや、リストカットするほど思い悩んだ過去を綴っています。一連のひよさんの投稿は、ネット上で大きな反響を呼び、西原氏は子供を身勝手に傷つける“毒親”ではないかという指摘や、“育児エッセイ”として親が勝手に子供のプライバシーを明かすことの是非をめぐり、大きな議論となりました」(芸能記者)
そこで生島氏も同月、ひよさんの投稿を裏づけるように、生島氏がこれまで見聞きしてきた西原氏による“暴言虐待”の内容を投稿した。
「ひよちゃんの投稿内容を疑う声が出ていたため、彼女を応援し、助けるために投稿しました。すると、それをきっかけに著名な女性作家さんが、『西原氏は私(生島氏)の仕事先にまで圧力をかけようとしていた』と教えてくれたのです。実際、ある雑誌で予定されていたその作家さんとの対談や、私が出版に向けて動きだしていた単行本や雑誌の特集がすべてキャンセルとなりました。西原さんと仲のいい女性編集者が、『西原さんとの関係性が悪くなるのでマリカさんの本を出すのはやめたほうがいい』と、新刊を担当する編集部に通達していたそうです。ひよちゃんだけでなく、彼女を助けた人間まで攻撃しているのだとすれば、もうやめてほしいです」(生島氏)
ひよさんが飛び降りるまでの9年間。生島氏が見てきたのは、漫画に描かれた美しい母娘像とは真逆の泥沼だった。
本誌が西原氏に質問状を送ると、ひよさんと西原氏の双方の代理人として伊藤芳朗弁護士から回答があった。ひよさんが『毎日かあさん』への登場を嫌がっていたことは事実だとしたうえで、ひよさんに対し西原氏が「ぶさいく」などの暴言を吐いたことは「事実ではありません」と否定。ひよさんの体操着や上履きが男子トイレの中から見つかった事件があったのは事実としつつも「いじめを受けていた事実はありません」として、「『生島氏に頼った』事実は一切ありません」と回答。西原氏がひよさんに生島氏との関係を断つように迫ったという点については、ひよさん、西原氏の双方が否定しているとした。また、旧知の編集者を通じて生島氏の作家活動に圧力をかけたという点も否定した。
「LINE画像に残っているように、私は間違いなくひよちゃんより、母親からの虐待を相談され、頼られていましたよ。しかもそれは、もともと西原さんの希望であり、私へ娘の面倒を見てと頼んだことから始まっています。FLASHの取材に、当のひよちゃんまで言を翻して私との関係や出来事を否定しているのは、西原さんに指示されたのでしょうか。でも、これがひよちゃんの本音だとは到底思えません。漫画に描かれた“ほのぼの家族”という虚像で、どれほどひよちゃんが苦しんでいるのか。私は心配でならないのです」(生島氏)
『毎日かあさん』はシリーズ累計250万部超。“かあさん”の暴虐によって苦しむ娘の声が、かき消されてはいけないはずだ。