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「1時間10万円、5年で50億円」岸田首相もダンマリの二階俊博氏「政策活動費」背景に総裁も怯える“武闘派”伝説

社会・政治 投稿日:2024.02.10 18:49FLASH編集部

「1時間10万円、5年で50億円」岸田首相もダンマリの二階俊博氏「政策活動費」背景に総裁も怯える“武闘派”伝説

「公正でやさしい」自民党、二階元幹事長には50億円

 

 自民党派閥の政治資金パーティー収入をめぐる事件で、東京簡裁は2月9日までに、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で略式起訴された二階俊博・元自民党幹事長の秘書について、罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出した。

 

 幹事長の連続在任期間が、歴代最長の5年を記録している二階氏はその間、党から50億円もの政策活動費を受け取っていた。2月6日の衆院予算委員会で、立憲民主党米山隆一議員は「5年間、365日24時間、雨の日も晴れの日も、寝ているときも起きているときも、1時間ごとに10万円(もらった計算になる)。使えっこないでしょ。残っていますよ、通常考えて」と指摘。その使途の公開を岸田文雄首相に迫ったが、首相は「全額、政治活動のために支出していると認識しています」と「確認するまでもない」という従来の姿勢を貫いた。

 

 

「野党議員からは『電話1本の確認で済むじゃないか』と疑問に思う声が出ていましたが、故・安倍晋三政権のとき、誕生日を迎えた二階氏に番記者が『首相からお祝いの言葉は?』と聞くと『ない。それができれば、(安倍氏は)もっと出世しているだろう』と言い放った、というエピソードが永田町に残っています。時の宰相にも上からモノが言える、“武闘派”として知られる二階氏には、さまざまな『伝説』がありますから、気軽に『何に使ったんですか?』なんて聞けません」(古参の自民党関係者)

 

 2021年1月20日、日本中がコロナウイルスの恐怖に怯えていたころのこと。衆院本会議で代表質問がおこなわれ、そこで当時の二階幹事長は「与党も野党も力を結集しよう。私どもは、いかなる努力も惜しまない」と、コロナ対応の結束を呼びかけた。ところが、野党席からヤジが飛び、二階幹事長は野次の方向を睨みつけ、『だから野党に呼びかけているんじゃないですか!』と目をむいて発言。修羅場慣れしていない若手の野党議員は、その迫力に言葉を失っていた。

 

 2022年11月には「死亡説」が流れたことも。

 

「二階氏の地元である和歌山県で、知事選がありました。その告示直前、二階氏の死亡説が流れたのです。原因はコロナという話まであり、確認作業に走ったマスコミもありましたが、デマでした。そのことについて二階氏は同年12月23日、TBSのCS番組で『そういうことを流した者がいるとしたら、先にたたき殺してやらないと承知ならん。フェアにしないといけないときだ』と、ものすごい形相で怒っていました」(政治担当記者)

 

「二階氏は『子分思い』でも知られています」と語るのは、与党担当記者。元官房長官で、二階派の会長代行だった河村建夫衆院議員の地盤である山口3区から、当時、参院議員で、岸田派の林芳正官房長官が鞍替え出馬を模索していることが報じられ、一部に「河村氏劣勢」の見方もあった。

 

 2020年10月4日、二階氏は派閥議員20名と、山口県宇部市で開かれた河村氏の集会に、東京から駆けつけた。そこで二階氏は「『売られたケンカ』という言葉がある。我々は、河村先生に何かあれば、政治行動のすべてをなげうってその挑戦を受けて立つ。公認決定に反する行為をした人が、どういう立場になるかは、言わずとわかるとおりだ」と声を張り上げた。その光景は「まるで討ち入り前のようでした」と関係者は振り返る。

 

 政治アナリストの伊藤惇夫氏は、二階氏についてこう語る。

 

「野生的なカンで政局の先を読める、したたかな政治家は、いまの自民党にはいません。かつて二階氏は、小沢一郎氏らと自民党を割って出ましたが、そのとき、故・竹下登元首相は『出ていくメンバーで誰かひとりを残したいと思ったら?』と聞かれ『二階だ』と言いました。そのため“優等生”的な自民党議員にとっては、不気味なんです」

 

 さらに二階氏は、観光、旅館、建設など「カネ」「票」「情報」が集められる業界を押さえている。このことも『力の源泉』になっているという。

 

 2021年、自民党の大臣経験者が選挙区内の行事で現金を配布した容疑で起訴され、罰金40万円・公民権停止3年の略式命令が確定した。その際に、二階氏は「ずいぶん、政治とカネの問題はきれいになってきている。マスコミも一般国民も、評価してしかるべきだ」と記者団をじっと見たが、今回はその言葉がブーメランになって、二階氏に襲いかかったようだ。

( SmartFLASH )

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