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安倍自民「選対委員長」を告発した元秘書が自殺していた

社会・政治 投稿日:2017.10.27 11:00FLASH編集部

安倍自民「選対委員長」を告発した元秘書が自殺していた

 

「Aさんは9月15日、自宅から少し離れた浜松市内の河川で、遺体で見つかりました。発見時の状況から、警察は自殺と判断しています」(地元紙記者)

 

 Aさんは生前、塩谷立・自民党選対委員長(67)の秘書を務めていた。なぜ、30代の若さで、死を選んだのか。

 

 塩谷氏といえば、安倍晋三首相(63)の出身派閥・細田派に所属。当選8回、麻生内閣では文部科学相を務めた。

 

「自派拡大を続ける二階俊博幹事長と、ポスト安倍候補の岸田文雄政調会長の牽制役を担っている」(自民党関係者)

 

 総選挙では選対委員長として実務を取り仕切った。塩谷氏の存在感は高まっている。

 

「Aさんは塩谷氏の地元事務所の、元私設秘書。議員の代理で地域の集会に出たり、陳情を永田町の事務所に伝えたり、秘書業務を真面目にこなしていた」(地元政界関係者)

 

 そんなAさんは、なぜ亡くなったのか。

 

「じつは、Aの死には、『週刊文春』9月14日発売号に掲載された、塩谷氏の事務所の秘書給与疑惑の記事が関係しています」(Aさんの知人)

 

《自民党選対委員長 塩谷立のダークマネー》と題された記事にはこうある。

 

 塩谷事務所で2007年から2011年まで務めていた女性公設秘書には「結婚して静岡県藤枝市で子育てをしている」という証言があり、勤務実態がない疑惑があるという。このことが2012年に東京新聞に報じられると、Bという秘書が真相究明を求めたが、塩谷氏は突っぱねた、と「文春」は報じる。

 

《小誌は、疑問を呈したというB氏を直撃した。「(中略)事務所として質すべきことですから、先生に聞いたのですが、勤務実態を全く答えられなかった」》(「文春」より引用)

 

「塩谷事務所は、Aを呼び出し『文春』の記事の『Bという秘書』がAではないかと問いつめたというのです。最終的に、Aは認めたそうです」(知人)

 

 疑惑を告発したAさんだが、精神的に追いつめられていった。

 

「提供した情報を撤回し、『文春』に記事を差し止めるよう要求しろ、と言われたそうです。9月11日になって『大変なことになってしまった』と話していました」(知人)

 

 Aさんの遺体が発見された9月15日は、「文春」の発売翌日だった。

 

「発端は、Aさんが出馬した2015年の浜松市議選にある」と話すのは、Aさんの当時の支援者だ。

 

「Aさんは当時36歳で、あるベテラン市議の後継として擁立されました。塩谷先生の若い秘書として地元では知られていましたから、当選すると思っていました。

 

 しかし擁立にあたって、塩谷先生の根回しが不十分だったんです。そのために、反発したベテラン市議が結局立候補してしまった。Aさんは落選してしまいました」(支援者)

 

 それでもAさんは諦めず、地元の集会に出るなど、政治活動を続けていた。

 

「2019年の浜松市議選には、塩谷事務所の別の現役秘書が、Aさんと同じ選挙区から立候補することが内定しました。今年、Aさんがある夏祭りに行ったら、追い返されることすらあったそうで、ひどく落ち込んでいました」(支援者)

 

 Aさんは将来に悩んでいたという。

 

 週刊文春編集部は本誌の取材に「取材過程につきましては、従来より回答を差し控えさせていただいております」とのこと。塩谷氏の事務所からは、締切りまでに回答はなかった。9月21日夕刻、党本部を出る塩谷氏を直撃した。

 

ーーAさんが自殺されました。
「うん、うん、知ってる」

 

ーー「文春」発売前に、Aさんを事務所に呼び出して問いつめた。彼は憔悴していたそうです。
「僕は海外にいたから。(憔悴していたことは)わかんない。なんでそういうことになったのか、聞いていたら教えてほしいよ。なんで死んだのか」

 

ーー「文春」へ告発したのは、Aさんだったのか。
「彼が語ったことは知っています」

 

ーーAさんは、市議選への支援が受けられずに落ち込んでいた。
「そんなことはないよ」

 

ーー今日は告別式だが……。
「僕は今から行きますから」

 

 だが通夜には、塩谷氏や事務所からは供花もなかった。Aさんの母親は「お話しすることはありません」。告別式の夜、Aさんの自宅を再度訪ねた。自宅にいた友人らしき男性に、塩谷氏が来たかと聞くと、驚いた顔でこう答えた。

 

「えっ、塩谷さんや事務所から連絡や問い合わせはありません。来る予定もないはずです。もう、関わりもありません」
(週刊FLASH 2017年10月10日号)

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