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あだ名は「殺人鬼」手術ミス連発で患者が次々死亡…現役医師が語る「本当にヤバかった事故」「危ない医師の見分け方」

社会・政治 投稿日:2024.02.29 06:00FLASH編集部

あだ名は「殺人鬼」手術ミス連発で患者が次々死亡…現役医師が語る「本当にヤバかった事故」「危ない医師の見分け方」

軽微な脳腫瘍があった患者が、竹田くんの執刀の後、死亡。赤穂市民病院で2020年2月に起きた医療事故が連想される©︎『脳外科医 竹田くん』製作委員会

 

■逮捕歴があっても医師を続けられる

 

医師A で結局、看護師さんが処置してる(笑)。でも、そうなっても診察を続けられているのは、まさに医師免許が “プラチナカード” だからですね。

 

医師B 赤穂市民病院の “竹田くん” も、普通に別の病院で働けていましたしね。逮捕歴があっても同じ。私が知っているだけでも、患者にわいせつ行為をした小児科医や、出会い系サイトで知り合った未成年とわいせつ行為をした形成外科医がいますが、2人とも、逮捕された後も医師を続けていますからね。

 

医師C わいせつ、多いですよね(溜め息)。話を戻すと、 “竹田くん” のような危ない医師を見分ける方法ってありますかね……。

 

 2014年に、群馬大学医学部附属病院で、一人の医師による腹腔鏡手術で8人が亡くなっていたことが明らかになったじゃないですか。あのときも、手術をやめさせるよう同僚が進言していたのに、上司である教授が聞き入れなかったんですよね。

 

医師A 本来、大学病院や今回の “竹田くん” が勤務していた赤穂市民病院は、地域医療の拠点ですからね。こんなことがあった後で言うのは説得力に欠けるかもしれませんが、やはり大学病院や地域の大きな病院のほうが、信頼はできると思います。

 

医師C 医師が多くいますし、指導医が経験の浅い医師をチェックできる仕組みになっているはずですからね。医療事故って、経験の少ない医師が、事前検査をおろそかにして、いたずらに新しい手技に挑んだりするときに起こりがちですから。

 

医師B そもそも、手術に出身大学や成績はあまり関連ないと思います。手先の器用さは影響するとは思いますが、手術ロボットを使えれば手ぶれを補正してくれますし、多少下手な医師でも問題はないと思います。

 

医師C 「専門医」だと安心と思う患者さんは多いかもしれませんが、「外科専門医」の資格を取得しているからといって、手術の腕が保証されたわけではありません。定められた年数の経験と、研修を修了して試験を受ければ、取得できますから。

 

医師A 専門医のなかにも、「どうして、この場面でそんな動きをするの?」という予想外の行動を取る先生もいますしね。

 

医師B 車の運転と同じで、どうしても向いていない人がいるんです。一方、「技術認定医」を取得している医師は信頼できると思います。たとえば、日本内視鏡外科学会は、手術を映した動画などをもとに、技量を審査して認定していますから。

 

“竹田くん” を主治医にしないためにも、まずは病院のホームページで「技術認定医」かどうかを調べてみてはどうだろうか。

 

取材/文・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)

( 週刊FLASH 2024年3月12日号 )

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