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リニア妨害は「国民の総意」!? また飛び出した川勝知事のトンデモ発言、大井川流域市町は不信感あらわに

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.02.29 18:35 最終更新日:2024.02.29 18:45

リニア妨害は「国民の総意」!? また飛び出した川勝知事のトンデモ発言、大井川流域市町は不信感あらわに

(写真・時事通信)

 

 静岡県の川勝平太知事が孤立を深めている。

 

 2月25日、静岡市内のホテルでJR東海の丹羽俊介社長と大井川流域10市町の首長が集まり、リニア工事をめぐる意見交換会が開かれた。JR東海側は、工事によって流出する地下水を補填する「田代ダム案」などの進捗状況を報告。流域市町は、工事のためのボーリング調査を早く進めるよう、強く求めた。

 

 

 ボーリング調査は、工事区間の地質や地下水について調べるもので、山梨県側から静岡県側に向かって、2023年2月に開始されている。しかし、静岡県が「地下水が県外に流れる可能性がある」と指摘、県境の手前300メートル以上は掘り進めないよう求め、調査が止まっている。これに対し流域市町は、調査で流出する水量は限定的であるとし、住民の不安払拭のためにも調査の実施を求めた。

 

 川勝知事と市町トップとの「ズレ」が改めて浮き彫りとなったわけだ。

 

 2月25日の「中日新聞」は1面で、大井川流域の島田市の染谷絹代市長のインタビュー記事を掲載。県がリニア工事を止める根拠としている県の専門部会について

 

「起こり得るリスクとほとんど起こりそうもないリスクをごちゃ混ぜにしている。国有識者会議の議論に対しても、建設的な提案型のリスク会議は出なかった」

 

 と指摘。そして川勝知事が独自の見解を発信し続けていることに対し

 

「私たちが思っていないことを発信している。テレビで初めて(発言を)知ることが多い。知事の権限を逸脱した方へ話が広がって、議論を分かりづらくしている」

 

 と、厳しく批判している。

 

 2月26日の定例記者会見では川勝知事に対し、こうした「認識のズレ」について多くの質問が飛んだ。島田市・染谷市長から厳しい意見が出ているが、知事は誰のためにリニア工事に慎重な立場をとっているのか? という記者の質問に、川勝知事は

 

「国民の総意として、南アルプスの自然を保全することは国策であると思っている。10年前にはユネスコのエコパークに認定されているので、その生態系を保全することは国際的な責務だと考える。したがって、南アルプスの生態系、自然の保全というのは、多くの人の総意と受け止めている」

 

 と答えた。

 

「つまり川勝知事は、リニアの着工を止めているのは国策であり、『国民の総意』だと言っているわけです。あまりにも飛躍しすぎた考えだと言わざるをえません。

 

 定例会見ではボーリング調査についても質問が出ましたが、川勝知事は国交省が設置予定のモニタリングの体制が整わない限り、調査を進めさせないと返答しています。

 

 このボーリングについては、2023年6月に、土木工学の専門家でもある静岡市の難波喬司市長が会見を開き、模型を使って解説。10~35センチ程度の孔をあけて調査しても、水はほとんど出ないと説明しています」(週刊誌記者)

 

 静岡市の難波市長は2月28日の会見でボーリング調査に言及。調査を進めてほしいとする流域市町の意見に同意する考えを示している。

 

 ますます孤立する川勝知事。「国民の総意」とは、正反対ではないか――。

( SmartFLASH )

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