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電通は入札停止中なのに…大阪に続き東京でも“子会社”が事業受注の事態に批判
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.03.08 16:00 最終更新日:2024.03.08 16:11
2月25日夜、東京都庁舎の壁面をスクリーンに見立てたプロジェクションマッピングが始まった。小池百合子知事は「ここが新しい名所になるように、世界にPRしていきたい」とあいさつ。開始イベントのあった同日には、建物に映す最大の常設展示として、ギネス世界記録に認定された。
だが、都庁のプロジェクションマッピングに予算7億円、他にも都議会議事堂や旧小田急百貨店などでプロジェクションマッピングを展開し、都は2023年度予算で計約18億円を計上していることから、SNSでは税金の無駄遣いではないかという批判が殺到。
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実業家のひろゆき氏は3月1日、自身の「X」に、こう書きこんだ。
《18億円かかったの東京都庁プロジェクションマッピング。東京都はお金が余ってていいですねー。まともな大人ならもっと人の役に立つことに使いそうですけどね。》
3月5日には、このプロジェクションマッピングの運営を、都から2024年8月まで入札指名停止中の「電通」のグループ会社「電通ライブ」が担当していることがわかった。同日、「よい旅ニュース通信」が報道した。
報道によると、「よい旅ニュース通信」編集部が、「プロジェクションマッピング協会」という団体のプレスリリースを確認したことから、2月27日、事業を管轄する都観光部に、「都が協会に事業を委託しているのか」と質問。「事業は運営会社から協会へ委託されている」との回答を得た。その際、都は「実行委員会形式(東京都、新宿区、東京観光財団)で開催されているため、都として運営会社の公表は考えていない」と答えていたという。
だがその後、都から「部内で協議の結果、運営会社名をお伝えしたい」との連絡があり、事業の受託者が「電通ライブ」であることが知らされたという。
「電通ライブ」は持株会社「電通グループ」の100%出資子会社。「電通」は、東京五輪の入札談合事件により、2023年2月から2024年8月8日まで入札停止の措置を都から受けている。
立憲民主党の五十嵐えり都議会議員は3月7日、自身の「X」にこのニュースを貼り付けたうえで、こう書き込んだ。
《東京都は当初、受託者を隠していました。私も「実行委員会です」と言われました。一転、電通ライブと説明。しかし、電通は五輪汚職で本年8/8まで指名停止。異常です》
一連の流れは、大阪府でも起きた流れだ。
1月30日、大阪府の吉村洋文知事は、2023年11月に開催された阪神・オリックス優勝パレードで、入札停止中の電通が100%出資する「電通ライブ」に企画・運営を委託したことを認めた。妥当性を問われると、「実行委員会で協議して決めた」と述べ、問題ないとの見解を示した。記者会見で「人民新聞」の記者の質問に答えた。
情報開示請求を続けるアカウント「ポストマン」から人民新聞が入手した情報によると、『兵庫・大阪連携「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」~2025年大阪・関西万博500日前!?実行委員会』が、電通ライブ関西支社と約1億9000万円の業務委託契約をしていることがわかったという。
大阪府と同じく、東京都でも「電通ライブ」に事業を委託しながら当初は公開せず、報道機関からの指摘を受け公開したことに、SNSでは批判的な声が殺到している。
《電通は入札停止だけど100%子会社の電通ライブは許すんだ。ただの脱法行為じゃんね》
《子会社の電通ライブが都庁プロジェクションマッピング受注とかダメだろ。木を伐る改革といい、やっぱり小池百合子は東の維新じゃないか》
《法的に問題ないけど言いたくなかった、100%子会社への裏抜けズブズブ委託 そりゃ言いたくないよね》
2025年大阪・関西万博では、電通が離脱したことが、混乱を招いたと指摘する声もある。だが、結局、「電通グループ」頼みというなら、せめて最初から公開すべきではなかろうか。
( SmartFLASH )