社会・政治社会・政治

トランプ大統領「自分ファースト」訪日計画に日本政府あたふた

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.11.04 06:00 最終更新日:2017.11.04 06:00

トランプ大統領「自分ファースト」訪日計画に日本政府あたふた

『首相官邸HPより』

 

 大統領として初のアジア歴訪を間近に控えたトランプ大統領。12日間のツアーの最初の訪問地が日本だ。「最大限のおもてなしを準備せよ」との安倍首相の号令の下、前代未聞の歓迎日程となっている。

 

 表向きは「北朝鮮の脅威に対応する共同作戦を練り上げる」のが第一の協議事項だ。しかし、商売熱心で知られるトランプ氏は、北朝鮮の脅威を逆手にとって、アメリカ製のミサイル防衛システムの売り込みに余念がない。

 

 なぜなら、今やアメリカにとって最大の稼ぎ頭ともいわれ、トランプ最大の支持母体となっているのが軍需産業であるからだ。イージス艦はもとより陸上配備のイージスアショアやPAC3を始め、韓国に配備済みのTHAADなども、「日本の防衛力を高めることになる」と、セールスに力が入っているようだ。

 

 イージスアショアの場合、1基800億円というお値段。対日貿易赤字を抱えるアメリカにとって、防衛装備品や最新鋭兵器は赤字解消の最高の武器になる。

 

 こうした日本向けの兵器セールスに加え、今回の日本訪問ではトランプ流の「自分ファースト」な要求が日本政府をあたふたさせている。

 

 真っ先に出てきた要求が「ゴルフ外交」である。前回、安倍首相とフロリダで展開したゴルフ三昧がたいそう気に入ったようで、今回も引き続き、安倍首相とプレーすることになった。

 

 そこで、官邸では警備の都合や移動時間を考慮し、埼玉県の霞ヶ関カンツリー倶楽部を選んだ。問題は、同倶楽部ではカートの使用を環境面から認めていないこと。

 

 その旨を伝えると、トランプ大統領からは「自分は歩くのは嫌いだ。カートが使えないなら別のコースに変えてくれ」との要求が。

 

 慌てた官邸サイドでは、名門倶楽部に平身低頭。「なんとか特例でカート使用をお願いしたい」と拝み倒した模様。アメリカの要求には100%応じるという安倍首相の「トランプ様様ぶり」を象徴している。

 

 他にも、「自分は和食が嫌いだ。食事はアメリカン・ビーフで頼む」といった類の要求が次々と出ている。

 

 実は、アメリカの首都ワシントンにそびえるトランプ・インターナショナル・ホテルは開店以来、ほぼ満室が続いているが、そこでの人気メニューには日本的な料理を採用し、健康志向のアメリカ人に提供してしっかり大儲け。「利用できるものは何でも利用する」のがトランプ流といえよう。

 

 このホテルの広々としたカフェでは巨大スクリーンに最新のトランプ大統領のニュース映像が24時間流されている。そこで供されているのが「日本風チーズケーキ」。抹茶クリームとバルサミコにイチゴが彩を添え、日本の国旗をイメージしたもの。

 

 なかなかよくできた味で、内外の宿泊客から好評を博しているという。気になるお値段だが、14ドルとお手頃。

 

 さて、日本ではどんな高額商品の売り込みに成功するものか。世界が注目している。(国際政治経済学者・浜田和幸)

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る