社会・政治
「茂木にまかせると寝首をかかれる」岸田首相、裏金処分めぐって自ら部屋回りの“情けなき”伝書鳩姿【写真あり】
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.04.08 06:00 最終更新日:2024.04.08 06:00
今は昔。田中角栄元首相に決断を仰ぐため、政治家たちが朝に晩に“目白御殿”を詣でていたのは有名な話。ひるがえって、この男はいったい――。
4月4日、一連の裏金事件をめぐる処分が決定した。“最高刑”は、塩谷立(しおのや・りゅう)元文科相と世耕弘成(ひろしげ)前参院幹事長に下された離党勧告。続いて、下村博文元文科相と西村康稔前経産相が1年間の党員資格停止。以下、合計39名の議員が処分を受けることになった。
「今回の処分は、ひと言で言えば、納得感ゼロですね」
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と切り捨てるのは、政治アナリストの伊藤惇夫氏だ。
「裏金事件について、満足に実態が解明されないまま、きわめて恣意的に処罰が決まりました。そもそも、トップの岸田文雄首相本人がお咎めなしですからね」
各議員の処遇は“責任”ではなく、“政治”で決まったという。
「まず、処分の対象を『不記載額500万円以上』としたのは、茂木敏充幹事長らしいですが、彼は不記載額の少ない若手を“無罪”とすることで、恩を売ろうとしたわけですよ。一方、武田良太元総務大臣が、党の役職1年停止という比較的重い罰だったのは、麻生太郎副総裁にとって、同じ福岡の地盤を争う“政敵”だからです。すべて、党内政治のためですよ」(同前)
安倍派5人衆も同じだ。
「塩谷氏は“座長”というお飾りだったがゆえに、重罪に。一方、公明党と菅義偉(よしひで)前首相に太いパイプを持つ萩生田光一前政調会長は、『両者に怒られるから』という理由で、実質無罪です。生贄にされた塩谷氏が憤るのも無理はないでしょう。一方、会見で『明鏡止水の心境』と語った世耕氏は完落ちです。次の衆院選で鞍替えし、無所属で和歌山から出馬するという“一発逆転”を狙っている世耕氏としては、無駄な抵抗をして、有権者のイメージを悪化させても仕方がないと考えているのです」(政治部記者)
なぜ、ツギハギだらけの処分になったのか。処分発表からさかのぼること2日。岸田文雄首相は、あまりに情けない姿を露呈していた――。
「4月2日の15時過ぎ。まず、岸田首相は国会内の自民党幹事長会議室に入り、麻生氏や茂木氏、森山裕(ひろし)総務会長らと話しました。その後、今度は報道陣を避けるようにコソコソと迂回して、同フロアの党総裁室へ。そこでは、森山氏に加え、渡海紀三朗政調会長、小渕優子選対委員長、関口昌一参院会長、松山政司参院幹事長らと会談しました。20分すると、党幹事長会議室へ逆戻り。再び麻生氏、茂木氏と話していましたね。あまりにうろうろするので、先導するはずのSPが首相の行き先を見失い、一時、混乱するほどでした。現場記者たちは『伝書鳩みたいだね』と苦笑していましたよ」(政治部記者)
岸田首相が部屋から部屋へ右往左往していた理由はもちろん、今回の処分をめぐって紛糾していたからだ。
「そもそも、大まかな方針を定めた後は、茂木氏が細かな処分内容を決めて進める予定でした。それが遅々として進まない。“ポスト岸田”を狙う茂木氏としては、この問題が長引けば長引くほど、岸田首相の傷になりますからね。一時期『岸田首相が自分で自分を処分する』と報じられましたが、あれも茂木氏の周辺から出た話。岸田首相はあわてて否定してまわるハメになったそうですよ。岸田首相は『茂木にまかせると寝首をかかれるから……』と怯えていて、処分に関する進捗は必ず茂木氏と森山氏から出させ、ダブルチェックしていました。結局、最後の大詰め段階で自ら“伝書鳩”になり、各幹部と直接、話すしかなくなったんです」(自民党中堅議員)
そこまでして総理の座にしがみつきたいとは、やっぱり情けない。