11月6日放送の『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ系)で、お笑い芸人の伊集院光が、プロ野球の日本シリーズで行われていたチケットの高額転売について持論を語っていた。
話題に上がったのは、転売サイト「チケットキャンプ」。サイト内では、イベントごとに取引の成立件数が表示されるのだが、日本シリーズではこの数が異常に多かったという。
「今回の日本シリーズで、チケキャンで売り買い成立したチケットが、6万枚っていうの。単純計算だけど6試合あって、それぞれヤフオクドームとDeNAの横浜スタジアムの席数の全部の合計、横浜は3万くらいしかなくて、ヤフオクドームも4万くらいしかないんです。
だから全部足しても20万ちょいしかないんです。そのうち6万がチケキャンで売り買いされてるという、この気持ち悪さ」
さらに、この転売によって、被害を被ったファンが多かったのではと考察する。
「しかも、けっこう深刻だったのが、横浜球場は、特にDeNAのファンが観たくて行くんだけど、チケット売り切れで、かつ入れなくてファンが表にいるのに……。何の影響かはわかんないよ。チケキャンが全部とは思わないけど、わりと席がガラッと空いてるゾーンがある、みたいな状況が起きてて」
この事態をプロ野球協会も認識しているのだが、打つ手がない。
「日本プロ野球協会も『チケットの転売がヤバくない?』っていうことで、チケット自体に『譲渡したチケットは入場をお断りすることがあります』って明記したんだけど、実行力がない」
極めつけは、この問題視している転売サイトのCMが、地上波で放送されているのだ。
「中継の間のスポンサーにチケキャンが入ってんの。何かがおかしなことになってないかって、ちょっと思う」
CMではチケットを買ったのに行けなくなった際などの譲渡を推奨しているが、結局、商売のための転売が行われているのではと疑問を呈する。
「『正しい使い方してくださいね』みたいなCMやってるけど、日本シリーズのチケットって、CSが直前までやってて、売出しもCS終わらないと始まらない。1週間くらいで6万人がそんなにたくさん急に仕事入らねえだろ。
さすがにおかしなことになってるよね、転売する人たち。いろんなもんに転売が出てくるけど」
音楽業界でも、2016年に複数の音楽関連団体、国内アーティストらがチケット高額転売に反対する声明を発表し、議論が盛り上がったことがある。
「支えてくれているファンの方が一番被害を受けている。チケットは、演出や場所の価格など細かいことを考えて決定している。それを何も関係ない方がその何倍、何十倍の価格で転売して利益を得ていて、ミュージシャンとして許せない」(「サカナクション」の山口一郎)
「自分にとってライブは、ファンとのコミュニケーションが取れる、とても貴重で大切な場所。一部の心ない人達の行為によって、純粋に音楽を楽しもうとしている最愛のファンが傷付くのは、許されることではない」(「X JAPAN」のYOSHIKI)
稼ぐのが目的の転売により、ファンが泣く泣く高値で買い取る例が絶えず、主催者も得をしない。野球界ではまだ大きな動きは見られないが、はたしてどうなるのか。