4月28日、衆院補欠選挙がおこなわれ、「東京15区」「島根1区」「長崎3区」のいずれもで立憲民主党が勝利し、自民党は完膚なきまでに叩きのめされた。
茂木敏充幹事長は、敗戦の弁として「逆風が強かった。厳しい結果を重く受け止め、不断の改革努力を重ね、国民の信頼を回復できるように努めていきたい」とコメントした。
岸田文雄自民党総裁の責任はもちろんあるのだが、幹事長の茂木氏が「逆風が強かった」とまるで他人事のように語ったことについて、SNS上では、
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《選挙の責任は幹事長の采配。もう他人事感が満載ですね》
《自分で自分に風当てて「逆風が!」ってギャグですね。》
《風速上げてんのおまえらなwww》
《『逆風』って思ってるのオマエ達だけだよ! こんな日本にしておいて何が逆風だ アホかっ 国民からしたら至極当然の『風』だよ!! まだまだ微風! これからだよ!!》
など多くの批判が寄せられている。なかには、こんなコメントも――。
《アンタ自身の後援会が資金移動によって4.4億円も「使途不明金」があるんだから不審の一端を担ってるんだよ。なんだコイツは!》
4.4億円の「使途不明金」とはなにか。
2月26日、茂木幹事長の資金管理団体が、自身の政治団体「茂木敏充後援会総連合会」に、毎年、多額の支出をしていたことを共同通信が報じた。3月6日には、毎日新聞が政治資金収支報告書を分析し、2009~22年の14年で4億4590万円に上ることを報じている。
「政治資金規正法では、政党支部や資金管理団体は、人件費を除く1万円を超える支出すべての使途を報告書に記載するよう義務づけています。しかし、問題になった後援会は『その他の政治団体』になるため公開基準がゆるく、以前から不透明さが問題視されていました。
共同通信の記事に、後援会と資金管理団体が同じ住所で、会計責任者や連絡先も同じとありました。さらに収入のほぼすべてが《資金管理団体と政党支部からの寄付》とあったことから、たんなる『抜け穴』との批判が殺到したのです」(政治部デスク)
茂木氏をめぐっては、地元・栃木県の地方紙「下野新聞」が4月30日、パーティー券の売り上げから開催費を差し引いて算出した「利益率」を掲載している。
同紙によると、茂木幹事長の利益率は88.9%。4回開催したパーティー収入は合計1億1010万円で、開催費1221万円を差し引いた利益は9789万円だったという。
金儲けだけはうまいのに、参院補選全敗という惨状を見て、自民党内からも茂木幹事長の責任を問う声が出ている。
「茂木さんは、負けても幹事長を辞任せず、党内では『昭和の無責任男』や『スーダラ節』を思い出すとの声が出ています。一刻も早く辞任すべきです」(自民党関係者)
『スーダラ節』は、昭和30年代、「日本一の無責任男」として一世を風靡したコメディアン・植木等の流行歌で、かつてはダメダメサラリーマンの代名詞のような歌だった。
「『スーダラ節』の歌詞は、『ハシゴ酒で気づいたら駅のホームでゴロ寝』『馬券で大穴狙うも見事に外れてスッカラカン』といった内容です。金はあるのに選挙には負け、それでも『わかっちゃいるけど、やめられねぇ』といったあたりが、まさに『日本一の無責任男』を彷彿とさせますね。
とはいえ、いま岸田首相と茂木幹事長は反目しあい、信頼関係はゼロ。いずれ岸田首相が幹事長を交代させることは既定路線です。交代させられた瞬間から、茂木氏は反岸田の急先鋒になる可能性もありますから、笑って見過ごすわけにはいかないというのが本音でしょう」(前出・政治部デスク)
補選全敗で「信頼回復を」とひたすら繰り返した茂木幹事長。しかし、その道は遠そうだ――。
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