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阿蘇、釧路に続き知床でも…景観破壊の元凶「太陽光パネル」思い出される小泉進次郎氏「国立公園で再エネ促進」発言

社会・政治 投稿日:2024.05.07 16:51FLASH編集部

阿蘇、釧路に続き知床でも…景観破壊の元凶「太陽光パネル」思い出される小泉進次郎氏「国立公園で再エネ促進」発言

 

 日本各地で、古墳を取り囲むようにしておびただしい数のソーラーパネルが設置されている。

 

「太平洋に面した、風光明媚な九十九里浜に近い千葉県東金市にメガソーラーパネルが完成したのは、2016年11月です。4万3000平方mの敷地に、約1万枚のパネルを設置。一般家庭約550世帯分の年間発電量を生み出す、巨大な施設です。しかし、ところどころ、パネルがありません。古墳があるため、設置できなかったのです」(週刊誌記者)

 

 

 こうした「古墳メガソーラー」は、ほかにも「奈良護国神社前池中古墳」(奈良県)、「庚申塚(こうしんづか)古墳」(群馬県)などがある。

 

「国内には約16万基の古墳があるといわれています。しかし、宮内庁が管理するのは天皇陵など899カ所ほど。ほかは、ほとんどが個人所有です。しかし文化財でもあるため、土地の売買が難しく、高齢化などで管理が難しくなった所有者が、苦渋の選択としてメガソーラー会社に土地を貸しているケースが多いのです」(同前)

 

 古墳以外にも、熊本県阿蘇市の阿蘇山では、外輪山の民有地約119ヘクタールにパネル約20万枚が設置され、2022年9月から稼働している。また1980年に日本初の「ラムサール条約湿地」として登録された釧路湿原には、札幌ドームおよそ180個分のパネルが設置され、年間で一般家庭の約5000世帯分の発電量を送電している。湿原周辺は、自然保護のため建物を建設することはできないが、ソーラーパネルは建築物ではないため、規制の対象外になる。

 

 さらに、メガソーラーは世界遺産である知床にも設置される予定で、間もなく関連工事が始まる。

 

「パネルが設置されるのは、知床岬の山面です。設置される理由のひとつが、2022年に起きた小型旅客船『KAZU I(カズワン)』の沈没事故です。携帯電話の電波が届かなかったことが問題視されたため、携帯電話の基地局を作ることになり、その電源設備として使われるということです。景観に配慮して、フェンスで太陽光パネルを隠すようですが、サッカーコートほどの広さですから目立つでしょう」(同前)

 

 SNSでは「メガソーラー発電乱立」「メガソーラーが侵食」などのワードが目立つが、その旗振り役となったのが、小泉進次郎元環境相だった。

 

「小泉氏は、大臣時代の2020年10月26日に、日本経済新聞のインタビューで『国立公園内で再生可能エネルギーの発電所の設置を促す規制緩和をする』と表明、『公園内は地熱や太陽光、風力を利用しやすいためだ』と、積極的な姿勢を見せていました。

 

 記事は《全国34の国立公園の敷地の多くは発電所の新設を制限している。一部で認めるが、資源エネルギー庁の報告書などは規制で整備できない場合があると指摘していた》と説明、これに小泉氏は『いい案件があっても保護一辺倒で活用が進まない例もあり得る。保護と利活用の両立へ発想を転換する』と語り、温暖化ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする、新たな政府目標に向けて再生エネを増やすとしていました」(政治担当記者)

 

 こうした流れを受け、環境省は2022年4月に自然公園法の施工規則を改正。国立・国定公園内に設置可能な屋根上太陽光パネルの色彩や形態について、実証事業を通じて基準策定する方針を打ち出した。

 

 しかし、メガソーラーの乱立が景観を損ない、住民間の軋轢を生んでいることも否定できない。また、将来的には使用済みパネルの処理も課題とされており、火災発生時には、消火のための放水で感電する恐れがあることも指摘されている。増え続けるメガソーラーに、国民の危惧する声が多いのも事実だ。

( SmartFLASH )

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