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【識者が選ぶ「日本の名家」】田原総一朗氏があげた「日本最強の名家」の名「不正も乗り越えられる伝統がある」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.06.15 06:00 最終更新日:2024.06.15 06:00
皇族から元宝塚女優まで。日本の名家の“人脈力”はいかほどか――。
4月13日、旧華族の社交場「霞会館」で開かれた、ある会合。これに秋篠宮家の佳子さまが初参加されたのは、島津家の御曹司との縁談を進めるためだったという。
戦国時代には、関ケ原の合戦で西軍について最後まで戦い抜いたという島津義弘の末裔が、令和の世に皇族と仲を深める――。数百年もの間、続いてきた家柄の名前は、いまもなお通用していたのだ。経済ジャーナリストの松崎隆司氏は、現在の「名家」事情をこう語る。
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「“実力主義”の風潮もあり、閨閥の力はかつてよりも弱まったように見えますが、単純に庶民にはわからないような形になっただけで、いまでも家柄の名前が有効な場面は少なくありません。現在でも、マスコミや広告代理店などに名門一族の子息を入社させるとも聞きますし、旧財閥系の令嬢を優秀な社員と結びつけるために、家柄の名前で大手企業に入れさせるということもあるようです」
本誌が、日本の政財界に明るい識者に「現代でも影響力の大きい名家」について聞いた。
ジャーナリストの田原総一朗氏があげたのが、トヨタグループ創業家の豊田家だ。豊田佐吉が愛知県名古屋市で始めた「豊田自動織機製作所」の「自動車製作部門」を起源とするトヨタ自動車。創業家の豊田章男氏が、現在は会長を務める。2021年には、章男氏の長男である大輔氏が、元タカラジェンヌの星蘭ひとみとの結婚を発表した。星蘭は、出光興産の創業者・出光佐三(さぞう)一族の令嬢でもあり、豊田家の触手は出光家にも伸びたことになる。
トヨタ自動車といえば、保安基準などの認証試験をめぐって不正が発覚し、苦しい状況に。6月3日の会見では、章男氏も謝罪したばかりだが……。田原氏は、「この一家であれば、大きな問題ではない」と語る。
「トヨタは輸出が好調なだけでなく、世襲がうまくいっています。『トヨタ生産方式(TPS)』という独自のシステムがありますが、そのひとつに『カイゼン』と呼ばれる、作業時間の短縮や業務効率の向上のために提案を促す方針があります。これは社員全員に向けられた方針で、トヨタが非常に風通しがいい所以です。こうした風土を代々、続けられるのは、ひとえにトヨタの伝統です。不正による信用の失墜も、乗り越えられますよ」
豊田家の家訓には「金をかけずに知恵を出せ」というものがあるという。コスト減への提案に立場を問わない社風は、まさにこの家訓を体現するものなのだ。
複数代の総理大臣が政界の名家の条件
政界における名家もまた多く存在する。多くの識者があげたのが、麻生家と福田家だ。麻生家は、太郎氏の曾祖父の太吉が福岡で麻生炭鉱を興し、現在は麻生グループを一族で抱える。福田家は、先代・赳夫の父が群馬の町長と、地元ではそれぞれ名士だったが、国政に出て、両家とも総理大臣を輩出してきた。「これが政界で“名家”とされる条件だ」と語るのは、前出の松崎氏だ。
「よく、『政界で生きるためには、カバン・看板・地盤だ』といわれました。カバンとは、そのなかに入っているカネのこと。2代、3代と総理を輩出したら、看板――家柄のネームバリューは完璧です。あとは、財界がついてくるかどうか。麻生家などは、実家が大企業を抱えていますから、こうした名家は、これからもなかなかつぶれませんよ」
地位も財力も手にした名家たちは、ますます力をつけていくのだろう。
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