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「持てあまされた」のツッコミも…三菱重工「万博チケット子どもたちに」配布までの経緯を会社に聞いた
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.02 18:28 最終更新日:2024.07.02 18:28
2025年4月に開幕を控えた「2025年大阪・関西万博」。ところが、前売り入場券の販売枚数が伸び悩んでいるという。
「販売は2023年11月から始まりましたが、多くが専用サイトでIDを登録したうえで購入する『電子チケット』のため、手続きが複雑だと敬遠されているようです。6月19日時点で、目標枚数の約1400万枚に遠く及ばない、2割の約280万枚しか売れていません。しかも大半は企業が購入しているのが実態です。
こうしたことから日本国際博覧会協会(万博協会)は、コンビニや旅行会社で購入できる『紙』のチケットを販売する方針を固めました。しかも混雑時間帯や繁忙期以外は、予約なしで入場できるそうです。
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目標販売枚数は200万枚程度を想定しているといいます。コンビニでの販売手数料など20億円ほどの追加コストが見込まれていますが、運営費で対応するそうです」(経済ジャーナリスト)
開幕まで300日を切り、万博協会の必死さが伝わってくるが、こうしたなか、万博に関連する企業も動き始めた。
4月11日には兵庫県が、県内に本社がある川崎重工業、神戸製鋼所、シスメックスの協賛を得て、県内の学校に通う小学生から高校生、56万人を無料で万博に招待すると発表。「機運醸成」に一役、買うこととなった。
さらに7月1日、三菱グループとしてパビリオンを出展する三菱重工業は「『2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)』の入場券約2万枚を、当社拠点が所在する全国約20の市町村や教育委員会を通じて、会期中いつでも1回入場可能な小人券(満4歳以上11歳以下)と中人券(満12歳以上17歳以下)を、地域の子どもたちに配付します」と発表した。
Xではこの決定に対して、こんな批判的な投稿も見られた。
《寄付と言いながら要らないから吐き出し》
《実際は #大阪万博 の前売り券は #企業 割り当て分もさばくのが厳しいのかといぶかしく思います》
《早くも持て余される万博チケット》
万博の会場である人工島の夢洲(ゆめしま)は、76カ所から基準値を超えるメタンガスが噴出したことが判明。また会場のすぐ隣では、「殺人アリ」と呼ばれ、猛毒を持つヒアリが550匹も見つかっている。ほかにも、会場までのアクセスがシャトルバスか地下鉄に限られるため、混雑が危惧されるなど、問題は山積だ。
「こうした理由から、大阪府が府内在住の小中高校生など約102万人を無料招待するとした際には、『児童の安全を守れない』などの理由から、学校単位ではなく個人参加にするという自治体もあります」(週刊誌記者)
「持てあまされ」たとの見方もある今回の無償配布だが、配布についてどのように決定したのだろうか。三菱重工業に聞いたところ、以下の回答があった。
《(無料配布した入場券は)修学旅行や市区町村のイベント等でご活用いただけると連絡を受けております。なお、入場券は弊社から一方的にお渡ししたのではなく、事前にニーズを確認の上、応諾いただいた市区町村や教育委員会のみに配付しております》
「持てあましたから押しつけた」ということではなく、ニーズに応じて配布が決まった、ということのようだ。では、会場の危険性についてはどのように考えているのか。こちらには、
《同博覧会の主催者が適切に対応されるものと考えますが、本件に対して当社は個社としてコメントする立場になく、回答を控えさせていただきます》
とのことだった。また、配布予定の入場券は有償で購入したものかという質問にも《回答を控えさせて頂きます》とのことだった。
子どもたちに“未来”を見せられる機会であれば、有用な2万枚になるだろうが……安心安全な博覧会が開催されることを祈るばかりだ。
( SmartFLASH )