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H3ロケット打ち上げに大号泣! 海外まで動画拡散の気象予報士を直撃「私がいちばんびっくりしています」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.10 12:34 最終更新日:2024.07.10 12:34
7月1日昼過ぎ、地球観測衛星「だいち4号」を搭載した国産次期主力ロケット「H3」3号機が、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。天候悪化のため、当初の打ち上げ予定日から1日、延期しての成功を受けて、歓喜にわく現地に、ひときわ目立つ女性がいた──。
《こんなに感動すると思わんかった… 髪ボサボサのすっぴんの大泣きで恥さらしもいいとこですがロケット見るとこうなるよということで出血大公開です。息子にも見せれて良かった。私が爆泣きしたせいか我々家族が取材されました》
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打ち上げ直後、自身のXでこう心境をつづったのは、気象予報士の福岡良子さんだ。コメントとともに投稿された動画には、ロケットが飛び去った空のかなたを見上げ、大号泣する福岡さんの姿が映っている。動画のなかでは、「お母さん、泣いちゃった……」と心配げにつぶやく幼い息子に、福岡さんが「泣いちゃった……。うれし泣き」「よかったね、ちゃんと飛んで……」と、涙ながらに返事するやり取りが収められている。この投稿は大反響を呼び、「かわいい」と海外にまで動画が拡散。SNSでは、共感やもらい泣きの声が続々、寄せられた。
《感情をここまで表す方は近頃ほとんど見かけなくなりましたけど、逆にこんなに表に表す方はこちらも同じくらいに素直になれて心が暖かくなります。 ありがとう》
《打ち上げ見られてよかったね。感動でボロボロになる気持ちわかります。あの身体を揺さぶられる轟音は、何年経っても忘れられません》
《十中八九俺も泣くよ、こんなもん生で見せられたらうん号泣するよ》
誰もが胸の熱くなる動画を投稿した福岡さん本人に、当時の感動を聞いた。
「あんなにたくさん反響があるなんて想定してなくて、私がいちばんびっくりしてます。発射に1mmも携わってないのに、まるで関係者みたいに『おめでとうございます』とかコメントいただいて、恥ずかしいです(笑)。
じつは、もともとテレビ局の取材を受ける予定だったのは、私ではなく、一緒に種子島を訪れていた会社の同僚だったんです。ところが、取材されている横であまりに私が大泣きしているものだから、こっちにカメラがきて、全国放送で流れちゃいました。今回、だいち4号本体が搭載されていたせいもあったのか、見学した公園はすごい人出で。役場の方によると『こんなに人で混むのは初めて』ということでしたが、泣いている人はそんなにいなくて……。『私だけ恥ずかしいな』と思った記憶はあります。
私自身、宇宙に詳しいわけじゃなく、今回、種子島に行くことになって本を読みあさった程度の知識でした。乗りもの好きなので、最先端の技術を詰め込んだロケットに興味はすごくあったけど、その場所に行くまでは、感情的になることもないと思ってたんです。ですが、実際に打ち上げに立ちあうと、場の熱気をリアルに感じて。いよいよカウントダウンとなったら、不安と緊張でいっぱいになって、本当に飛ぶのかなって……。それがいざ飛び始めて、すごい轟音と光で空に向かっていく姿を見てると、ちゃんと成功しているという思いが、高度が上がるごとに確信に変わったんです。そこで安心したのか、涙がどんどんあふれてしまいました」(福岡さん・以下同)
打ち上げに成功したロケットを見て号泣した福岡さんだが、お子さんはどんな反応だったのか。
「汚い話で恐縮なんですけど、打ち上げ後にトイレで息子が用を足したとき、ロケットみたいに一直線の“うんち”が出たんです。私が『H3ロケットが出たね!』って言ったら、『宇宙に行っちゃうね』と、気の利いたコメントを返してきたから、覚えてはいるみたい。ちゃんと学んでくれたんだなと、私なりに確信を持った出来事でした(笑)」
ロケットの打ち上げには、天気が大きく影響するが、福岡さんに“本業”の気象予報士としての解説をしてもらった。
「大気の状態が不安定だと落雷もあるので、天候条件は重要になってくるそうです。前日の天気も打ち上げを左右するということを、今回、初めて知りました。心配していた打ち上げ当日の7月1日、全国的には梅雨前線の影響で大雨の予報だったんですが、梅雨前線が北上したおかげで、種子島は奇跡的に晴れという天気でした。なので、打ち上げ決行する確率は高いと見込んでいました。
H3ロケットに搭載していた観測衛星、だいち4号は気象観測に活用される見込みです。だいち4号は観測幅が広いということで、もし水害が発生したとき、浸水エリアをより正確に上空から観測し、災害復旧のスピードがアップすることが考えられます。また、台風予測の精度向上にもつながってくる可能性はあるので、期待値はかなり大きいですね! 今後、だいち4号からどんな観測画像が届くのか、気象予報士としても心待ちにしています。そういう意味では、今回の打ち上げ成功で、日本はさらなる一歩を踏み出したと思いますし、その歴史的瞬間に立ち会えたこと自体に感きわまるものがあります」
最後に、「また打ち上げの機会があるとしたら、見学に行くつもりは?」と聞くと、笑顔で「ぜひ行きたいです!」と回答。さらに、ロケットや宇宙に関心がある人にもメッセージをくれた。
「種子島に、やり残したことがまだまだたくさんあるんです! 夜間にロケットを打ち上げることで発生する、人工的な“夜光雲”という雲があり、それもぜひ見てみたい。あと、種子島には子どもと一時的に移住する“宇宙留学”という制度もあると聞き、真剣に考えてみたいですね。
私はもともと仕事柄、空のことをつねづね意識しているんですけど、宇宙って、地上から100km以上の上空なんです。気象予報士が天気を予測するために観るのは、対流圏と呼ばれる地上から上空15kmくらいの大気の層で、いつも空を観ている私たちにとっても、宇宙は遠い存在です。それが今回、実際に種子島に行ったことで、宇宙がちょっと近く感じられましたし、ロケットにも関心が強まりました。光とか音とか、宇宙に行くためのエネルギーを現地で感じられたのは大きかったと思います。そこに行くまでの苦労も含め、実際に打ち上げに立ち会うことで変わる部分はあるので、ぜひ機会があれば種子島に行ってみてください!」
福岡さんが「見たほうがいいと」と“予報”してくれたロケットの打ち上げ、見に行ったほうがいいに決まってる!
( SmartFLASH )