社会・政治
猪瀬直樹の情報処理術「いちばん重要なのは記憶の検索」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2017.12.07 06:00 最終更新日:2017.12.07 06:27
11月26日、都内書店で『林檎の樹の下で』(光文社)の出版トークイベントが行われ、実業家の堀江貴文と元東京都知事で作家の猪瀬直樹がゲストで登壇した。
蔵書家で有名な猪瀬について、堀江が「猪瀬さんの事務所ってすごいんですよ。もう、本タワーみたいになってて、タバコの火で燃えてしまうんじゃないかっていうくらい」と本の多さを説明する。
それに対し猪瀬は、インターネットがない時代から作家として活動してきた経験から、情報の扱い方について、こう語っていた。
「グーグルがない時代だったから、原稿を書くときに、“ひとりグーグル” をやってたわけですよ。ぼくの本の並べ方は、例えば三島由紀夫の本を書いたら、ここはその棚だ、みたいな。他の本を書いたら、そのときに使った資料をまとめて。
そうすると、そのときに使った本がどこにあるかってことが、記憶で検索できるので。記憶の検索ってのはいちばん重要です」
さらに堀江から「インターネットによって本を書くのが楽になったか?」と聞かれた猪瀬。今もなお、本による情報が大切と断言するのかと思いきや、「グーグルがあるから、いま楽だけど」とネットの有用性を認める発言が。
「最近発売になった『明治維新で変わらなかった日本の核心』っていう本で、磯田道史さんっていう歴史家の方と対談したんだけど。
ぼくは10年くらい前に、国史大辞典を買ったんですよ。一冊、分厚いのが20万円くらいする。それが20巻くらい。磯田さんと対談するなら、それを引かないと、わからないことがいっぱいあるから……と思ってたら。もう、グーグルでさ、ウィキペディアが出て来るんだよね(笑)そういう時代になったんだよね」
ウィキペディアに頼るより、国史大辞典を駆使するべきだとは思うが、1980年代から活躍し続ける作家にとっても、インターネットは不可欠なもののようだ。