
吉村知事の「開幕直前も工事中」と取れる発言にツッコミが
7月17日におこなわれた「大阪・関西万博推進特別委員会」の会見で、横山英幸・大阪市長が、無料招待する府内の小中高生らのために、万博会場の夢洲(ゆめしま)にアクセスする大阪メトロ中央線で「子ども専用電車」を走らせる構想を明らかにした。
「夢洲への公共交通機関は、原則として地下鉄かシャトルバスになるため、選択肢が少ないんです。観光バスの直接乗り入れは限定的ですから、多くは近くの舞洲(まいしま)、尼崎、堺などに止めてシャトルバスに乗り換える必要があります。
そのため大混雑が予想され、『児童たちの安全が担保できない』と学校単位での参加を躊躇する自治体もあります。そうした心配の声に応えるため、『子ども専用列車』構想が生まれました」(週刊誌記者)
子どもたちの安全確保に関し、かねてから教育現場では「事前に会場を下見したい」という要望が多く寄せられていたという。ある現役教師は、「遠足、修学旅行、校外学習などをおこなう場合、必ず教師が下見をして危険箇所などをリサーチします。万博でも、それをおこなうのは当然だと思います」と指摘する。
こうした声に対し、万博協会は7月22日の教職員向けのオンライン説明会で、現在工事が進められていることから、「下見は開幕後におこなってほしい。会場の様子を伝える『動画』を共有する」としていた。
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一方、吉村洋文・大阪府知事は、23日の会見で、開幕前の下見について「現場、見られなかったら困りますから。現場がどういうものかっていう、それはもう3月になるかわかりませんけど。学校の先生方に配慮するべきだと思います」と対応する意向を示した。
さっそく、主催者の協会側と知事のちぐはぐな見解が露呈してしまったことになる。
そして、「開幕直前になっても工事中」と取れる吉村知事の発言に対して、Xでは、
《どんどん行き当たりばったりになってきた》
《工事中の視察に意味はない》
《3月視察で万博工事に支障あるかもしれないってこと?》
などと、呆れるようなポストが上がっていた。
一方、学校行事で下見は絶対不可欠にもかかわらず、主催者側のおざなり対応が予見される事態に、Yahoo!ニュースのコメント欄では、現場の教師と思われるユーザーから呆れと憤慨の声が爆発している。
《私の経験では、遠足や修学旅行などで初めて行く場所の場合は、必ず下見は実施しましたし、ちょっとした校外学習でも現地確認などの下見は必ず行いました。子どもたちの安全を考えれば当然の対応です。それでも想定外のことは起こるで、下見なしの実施なんて、教員の立場からすれば、とても不安で行きたくないのが本音でしょうね》
《普通の校外学習の下見でこんな杜撰な下見をすれば、行政から指導されるような案件だと思うのですが》
《遠足の下見がどういうものか知りもしないで、思いつきで方針を決める。現場はそのたびに振り回され、余分な仕事が増えて職員はますます疲弊する。同じ過ちを何度繰り返せば気がすむのだろう》
開幕まで9カ月を切ったが、学校関係者の不安はますます募るばかりだ。
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