8月9日に、内閣府は「満足度・生活の質に関する調査報告書 2024」を公表した。
これについて、共同通信が《生活満足度が過去最高 3年連続上昇 内閣府調査》の見出しで報じると、調査結果と実態との乖離ぶりに、インターネット上では怒りの声が続出している。
同調査は、2024年2月に約1万人を対象にインターネットでおこなわれ、現在の生活に、どの程度満足しているかを0~10点で自己評価する形だった。「総合的な生活満足度」の全体平均が、前年比0.1ポイント上昇の「5.89」と、過去最高だったという。
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共同通信の記事内では、内閣府担当者の分析として《新型コロナウイルス禍からの脱却や賃上げが影響した可能性がある》との見方も紹介されていた。
経済部記者はこう話す。
「調査報告にある『最も高い水準』や『過去最高』という文言を見ると、いかにも景気がよさそうな印象を受けますが、実際にはツッコミどころがいくつもあります。
まず、厚生労働省の毎月勤労統計調書で、2024年6月の実質賃金は27カ月ぶりにプラスに転じましたが、2月の段階では実質賃金は前年同月比でマイナスが続いていました。
そうした状況のなかでの調査で『生活満足度が過去最高』と言われても、実感が湧きませんし、内閣府の調査をなかなか鵜呑みにはしづらいような気もします」
これだけではない。
「『過去最高』といっても、この調査が初めておこなわれたのが、2019年2月ですので、『過去6年間のうちで』ということにすぎません。さらに言うならば、報告書の概要では『年齢階層別では、すべての階層で上昇したが、40歳-64歳は2020年の水準には至っていない』と認めていて、この部分については、過去最高でも何でもないのです。
とくにその年代は、子どもが高校、大学へと進学する時期のため、教育費負担などが大きいわけですから、実質賃金が下がっているなかで、とても生活満足度が過去最高になるはずがないといえます」(同前)
たしかに報告書を見ると、40~64歳の生活満足度は2020年の5.70が過去最高。2024年は5.57となり、2023年から0.09ポイント上昇したが、微増に過ぎない。
結果に対する反応は冒頭のとおりで、X上では調査を疑う声すら聞かれている。
《絶対にあり得ない。とうとう政府は統計操作までやるようになったのか…》
《不思議な結果ですね。調査が偏っているとしか思えない結果》
《「過去最高」と言っても調査開始は2019年ですし、「3年連続上昇」というのも主にコロナ禍で下がった後に上がっているっていうだけの話なので詐欺的ですね》
6年間で過去最高と胸を張る内閣府は、国民の生活が苦しい現状を把握できているのだろうか。
( SmartFLASH )