それは突然だった。8月14日午前、岸田文雄首相が記者会見を開き「自民党が変わることを示すもっとも分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ」と、9月20日、または27日に予定されている自民党総裁選への不出馬を表明したのだ。
「岸田首相は誰にも相談せず、決めたようです。14日の朝8時38分に、側近中の側近といわれる木原誠二自民党幹事長代理が公邸に入っています。木原氏も、そこで伝えられたのではないでしょうか」(政治担当記者)
総裁選は、一気に活発化してきた。自民党議員秘書が語る。
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「閣僚や党三役などは『岸田政権を支える立場だから』と表立って動けず、総裁選に手をあげることすら躊躇していましたが、そのタガが外れるわけですから『乱立』の様相を呈すると思います。そのため、推薦人20人が集められない議員も出てくるではないでしょうか」
そうしたなか、各社の世論調査で「次の総裁にふさわしいのは誰か」の項目で、つねにトップに位置づけられる石破茂元幹事長が、総裁選レースを引っ張るのではないかとみられている。しかし永田町関係者によると、「大きな課題」があるという。
「現在の永田町勢力図を見ると、自民党総裁が内閣総理大臣になることは間違いありません。そうすると、夫人はファーストレディです。石破氏の夫人である佳子さんは、地元の会合などは、石破氏に代わってマメに出席して、明るい性格から評判もすごくいい人物です。しかし元来は、表舞台に出るより、裏から目立たず夫を支えるタイプ。パーティーや街頭演説などでは、石破氏とツーショットであいさつなどをしますが、ファーストレディになることに不安やためらいはあると思います」
石破氏と佳子さんは、慶應義塾大学法学部の同級生。大学時代の同級生はかつて、本誌の取材にこう証言している。
「彼女はものすごい美人で人気者。モテましたよ。一方の石破はモテなかった(笑)。佳子さんは卒業後、商社の丸紅に就職しています。石破が銀行員時代、父親で参院議員の二朗氏が亡くなったんですが、そのとき佳子さんが弔電を送ったんです。石破がそのお礼をしてから、ふたりのつき合いが始まりました」
「総理大臣になるということは、それは何かを成し遂げるための手段であって、なることが目的だと思ったことは、私は一度もない」が口癖の石破氏。夫人も“その気”になってくれただろうか。
( SmartFLASH )