かつて5人の若者が亡くなった「戸塚ヨットスクール事件」で知られる、戸塚ヨットスクール創設者の戸塚宏氏が、8月8日、YouTubeチャンネル『令和ヨットスクール』を開設した。初回は『【戸塚宏】令和の今、体罰を語る』のタイトルで動画をアップ。体罰と暴力の違いなどについて持論を展開し、物議を醸している。
「自身も実績のあるヨットマンだった戸塚氏は、1976年に『戸塚ヨットスクール』を開校。当初は『オリンピックで通用するような一流のヨットマンを育てる』ためのスクールとして発足しましたが、次第に、戸塚氏の “スパルタ指導” が、非行や引きこもり児童の更生に効果があると評判になり、戸塚氏はメディアから『救世主』などと注目されるようになりました。
ところが、1979年から1982年にかけて体罰が原因とする塾生5名の死亡事故を引き起こしたことが発覚し、マスコミは連日のように報道しました。
戸塚氏は、傷害致死罪、監禁致死罪で起訴され、2002年に懲役6年の刑が確定。2006年に出所しています。現在も同校の校長をつとめていますが、今は0~8歳の子どもを指導していると本人が語っています」(事件担当記者)
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このたび開設された戸塚氏のYouTubeチャンネルは、動画の最後に流れる説明によれば「戸塚先生を支援する2人の青年」が運営しているようで、「戸塚校長の意思を後世に残すべくYouTubeを始めました」とのこと。
動画内で、スタッフから「体罰と暴力の違い」について聞かれた戸塚氏は、
「どう違うの? 体罰と暴力。(子どもたちの)進歩を目的とした有形力の行使。これが体罰だ。いいこと。体罰は善なんよ」
などと、強烈な自己主張を展開。教師による体罰が当たり前だった自身の小学生時代を引き合いに出し、「体罰によって自分が進化したという実感を得られた」と体罰の効果を説明し、「暴力は自分の利益のためにやるもの」「体罰はやられるほうの利益のためにやるもの」と持論を語った。
しかし、こうした戸塚氏の主張に対して、コメント欄には、
《亡くなった方が居るのに体罰は善って…これは何言っても無駄みたいですね。今の時代子供に強く言うことは大事かもしれないけど、戸塚さんがやったことはどう見たって指導じゃなくて暴行です》
《体罰を受けた子供が健全に成長できると思えない》
《じゃあ俺がこの進歩のない老人の進歩を願って頭ひっぱたくのは良いことで善てことだよね?》
《この考え方を正すためにぶん殴ってもいいですか》
などと批判が殺到。8月15日にも『令和の若者へ、愛のある喝』のタイトルで新しい動画をアップしているが、こちらのコメント欄にも《まさに昭和の亡霊》など、批判が殺到している。こうした声が、戸塚氏の耳に届くことはあるのだろうか――。
( SmartFLASH )