8月21日に報道各社は、高市早苗経済安全保障担当大臣が、9月27日投開票の自民党総裁選に出馬する意向を固めた、と伝えた。
立候補に必要な推薦人20人を確保した模様で、近いうちに記者会見するという。高市氏は前回、2021年の総裁選では、安倍晋三元首相の支援を受け出馬するも、4人中3位だった。
自民党ベテラン秘書はこう話す。
「高市さんは安倍政権下で、内閣府特命担当大臣、総務大臣、また党の政調会長など要職を務めました。最近では、安倍氏の命日前後に『志を継承する集い』で『安倍元首相の思いを受け継ぎながら、みんなで力を合わせましょう。それが恩返しです』と発言したり、自著を出版したりするなど、自らを“安倍路線”の継承者と位置づけ、保守派層から一定の支持を得ています」
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そんな期待感を、世間も持っているのだろうか――。
高市氏の出馬が報じられた同じ日の昼過ぎ、産経新聞は《自民総裁誰に トップは高市氏、党員の6割、自民支持層の4割強「くらするーむ政治部!」》と題した記事を配信し、話題になっている。
記事では、産経新聞のグループ会社による、自民党総裁選に関する調査を紹介していたが「誰が選ばれてほしいか」の問いに対して、
《高市早苗経済安全保障担当相が35.9%でトップだった。石破茂元幹事長が12.6%、小林鷹之前経済安全保障担当相が8.9%、小泉進次郎元環境相が6.4%》
との結果を紹介していた。
しかし、この産経新聞の記事に対して、X上ではこんな異論が聞かれている。
《これ調査対象が偏り過ぎてまともな世論調査とは言えないのでは》
《えー そんな馬鹿な、無作為調査じゃないでしょ?》
《この産経の調査、過去の結果を見ても、宇都宮で好きな中華料理を聞きました、1位はなんと餃子です、みたいな》
異論が出ている理由として、今回の調査の“手法”を指摘する声が多く聞かれている。
「一般的なアンケート調査は、第三者のアンケートサイトなどに調査を委託しておこなうことが多いですが、産経が記事にしたのは、自社が発行するIDを取得したユーザーだけを対象にした、アンケート結果なんです。
通常の世論調査では、電話場号を無作為に発生させる『RDD方式』という手法により、回答者を選ぶのがほとんどで、性別や年齢構成などを均一に振り分けるように心がけています。
しかし、今回の産経のアンケートは、会員向けにインターネットで実施したもので、男女比率も圧倒的に男性が多く、年代も50代以上が半数を占めており、自社の読者層の意向が反映されやすくなっている印象です」(週刊誌記者)
ただ、このアンケート記事に対して、高市氏の人気を実感しているインターネットユーザーが多いのも事実だ。前出の自民党ベテラン秘書はこう続ける。
「高市さんはきっと、この記事に元気づけられたでしょうね。産経のアンケート記事では『自民党員の6割が支持』とも書かれていますが、総裁選では、1回めの投票には『党員票』も反映されるので、この数字をまったく無視することはできないとは思います。
ですが今回は、これまで最多だった5人に並ぶ総裁選立候補者が出てくるとみられ、1回めの投票では決まらず、決選投票になる可能性が高い。そうなると、自民党国会議員の票を集められるかがカギになってくるでしょう」
総裁選に向け、初の女性首相候補に“追い風”は吹くのか。
( SmartFLASH )