9月12日の告示を前に、自民党総裁選(9月27日投開票)がかつてない盛り上がりを見せている。
「立候補に意欲を見せる議員は10人を超えています。8月19日に先陣を切って小林鷹之前経済安保相が立候補を表明、24日には石破茂元幹事長が続き、今後も26日に河野太郎デジタル担当相、30日に小泉進次郎元環境相の表明が見込まれます」(自民党議員秘書)
ほかにも林芳正官房長官、茂木敏充幹事長、高市早苗経済安全保障担当相らが立候補表明を予定している。
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対照的に、どうにも影が薄いのが立憲民主党の代表選(9月23日投開票)だ。
「枝野幸男前代表が早々に立候補を表明。まもなく泉健太代表も手をあげるでしょう。ほかにも馬淵澄夫元国土交通相、西村智奈美代表代行が意欲を見せていますが、立候補を模索していた小川淳也前政調会長は『推薦人集めが難しい』とメドが立っていません。
そもそも立憲は衆参の国会議員が136名しかいないのに立候補に必要な推薦人が国会議員20人というのも無理があります。これでは若手が名乗りを上げられず、必然的に報道も少なくなり世間から注目されなくなります」(政治担当記者)
まるで自縄自縛だ。さらに「かつての代表選」を想起させるように「野田佳彦元首相が立候補に前向き」という報道がされ、ますます新味がなくなっている。
「野田氏は自身に近い議員に立候補する意向を伝え、立候補表明の時期も模索していると聞いています」(立憲民主党関係者)
これまで、ことあるごとに「昔の名前で(代表選に)出るのはいかがなものか。これからは若手議員の皆さんに教訓を伝えることを担いたい」と公言していた野田氏に、どんな心変わりがあったのだろうか。政治ジャーナリストの宮崎信行氏はこう語る。
「野田氏は泉代表や枝野氏以外の『第3の候補』が出なければ、立憲民主党の代表選は成り立たないという考えを持っていました。そうしたなかで党内の中堅・若手グループの『直諌(ちょっかん) の会』や地元の党千葉県連から出馬要請があったので、『誰もいないなら、私が第3の候補になろう』と決意をしたのでしょう。
そして先の東京都知事選では、野田氏が率いる『花斉会』は同会のメンバーだった蓮舫氏を応援しました。しかし3番手という結果になり、花斉会は党内で埋没する可能性が出てきました。そうした危惧も立候補を決めた背景にあると思われます」
7月に枝野氏の出馬が報道されたとき、Xには「(代表は)輪番制にしたらいい」という厳しい声があったが、今回の野田氏出馬にも《立憲自滅したいのか》《悪夢再び なんで野田佳彦なの?》《どこまで世間とずれてるんだろう》《有権者バカにしてるだろ…のこのこ名乗りあげるなんて》など批判のポストが殺到していた。
自民党は、総裁選が終われば衆議院の解散総選挙に打って出ると言われている。立憲民主党に国民の期待は集まるだろうか。
( SmartFLASH )