「誰も見たことがない施設をつくりたい」
記事の始まりはこの言葉。日経クロステックで取り上げられたのは、大阪・関西万博会場内に建設される「休憩所2」の施工風景だ。
重さが1個90~250kg、約750個の石にケーブルを通し、ネックレスのようにして上空に並べる「パーゴラ建築」が万博に導入されるという。石の総重量は約90トン。「パーゴラ」とは “ぶどう棚” という意味だ。
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使用する石は、愛媛県の「大島石」や岡山県の「万成(まんなり)石」、香川県の「小豆島石」及び「庵治(あじ)石」と、どれも由緒正しい石ばかりというのだが……。
この巨石カーテンは、休憩所へ向かう通路に施され、高いところは9.5mにもなる。つまり、来場者はこの石の下を通って休憩所へ向かうことになる。
「設計を担当した工藤浩平氏は、自身のXで《石を用いたパーゴラは敷地内にある外部歩道(バス停留所からリングまで)の日除のための工作物》とコメント、建築基準法をはじめとした各種法令を守り、構造計算や強度試験などをおこなったうえで施工していると明かしています。
しかし、頭上に大量の巨石がぶら下がっている通路を歩くというのは、心理的にかなり不安なのではないかと、ネット上で強く批判されています。ちなみに、記事によれば、建設費は撤去代まで含めて4億2200万円だそうです」(経済担当記者)
Xでは、石吊り通路の危険や不安とともに、巨額の費用にも多数のツッコミが寄せられている。
《わざわざ「イミテーションではなく計90トンもある本物の岩石で、雨よけにならず日除けも微妙な建設物」を4.2億円もの税金を使ってやる意義ってなんだよ》
《頭の上に90トンの石をぶら下げる斬新なスタイル。玉掛け講習受講者が聞いたら噴飯ものなんだけどアートなんですかねぇ》
《「いのち脅かす休憩所のデザイン」だと思うけど、万が一ワイヤーに落雷したらOUTなのでは?》
「大阪万博では、地盤沈下やメタンガス噴出など、これまで多くの危険が指摘されてきました。いくつものリスクのなかで、来客者にとってかなりの肉体的負担となりそうなのが、夏の猛暑です。
環境省は暑さ指数(WBGT)を公表しており、WBGTが28(厳重警戒)を超えると熱中症患者が著しく増加するとしています。2023年7~8月のデータを見ると、大阪市は7月で29日間、8月には30日間でWBGT28以上を記録しました。
実際に開幕すれば、暑さを逃れて休憩所に向かう人は多いでしょうが、その際の日除けとして、『石のパーゴラ』はたしかに役立つのでしょう。しかし、SNSでは不安の声が止まりません」(同)
実際、Xにはこんな投稿まで――。
《危険な場所には近づかない、これは、人生の鉄則です》
多くの人が万博への危機感を募らせているのは間違いない。
( SmartFLASH )