8月26日は河野太郎デジタル担当大臣による総裁選出馬表明がおこなわれるなど、慌ただしかった自民党本部ではこんな場面があった――。
同日午後に開かれたのは、社会保障制度に関する自民党内の会合。そこに事務局長として参加していた小林鷹之元経済安全保障大臣が自民党本部から立ち去ろうとした際、菅義偉前首相と鉢合わせしたのだ。
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「自民党総裁選にいち早く出馬を表明した小林氏に対して、同じく40代の対抗馬になるとみられるのが小泉純一郎元環境大臣です。その小泉氏の最大の支援者である菅氏と小林氏は敵同士、出くわした形になりました」(政治担当記者)
2人は顔を見合わせると、何やら一言二言、言葉をかわした。表情には笑みがこぼれていたが……。
「内心ではバチバチと火花が散っていたことでしょう。たんなる総裁選でのライバル関係ではありませんからね。
小林氏の支援者は福田達夫元総務会長をはじめ、4回生以下の若手議員を中心とした旧安倍派の面々。そこに旧派閥から分裂した議員が加わっていると見られています。
そして、小林氏が抱える麻生派の支持勢力を取りまとめているのが、甘利明元幹事長なんです。この存在を菅氏は放っておけないはずです」(同前)
じつは、菅氏と甘利氏の間には、過去の権力闘争をめぐって明暗が分かれた場面があったという。自民党ベテラン秘書がこう話す。
「2人は同じ神奈川県連の所属ですが、関係がいいわけがありません。菅政権では、菅グループの神奈川県連所属の議員を要職に起用していましたが、甘利さんはそれを追い落とした岸田文雄首相に近い人物。
総裁選で岸田首相を支えた選対顧問としての働きぶりを評価されて、甘利さんは組閣と同時に幹事長に就任したんです。
岸田政権では、反対に山際大志郎元経済再生担当大臣など、甘利さんに近い神奈川県連所属議員が重用されました。
なので、菅さんは『コバホーク対進次郎』の構図の総裁選に、甘利さんとの“代理戦争”を思い浮かべているでしょう。一方の小林さんも、菅さんと甘利さんの因縁を知らないわけはありません」
菅氏は長らく、赤坂の衆院議員宿舎の会議室で定期的に同じ神奈川県選出の進次郎氏、河野氏らと会合を開いているが、このことは永田町で有名な話だ。
前出・政治担当記者はこう話す。
「菅さんが開いている会合に、甘利氏が加わったことはないはずです。甘利さんもかつて“神奈川のドン”と言われたことがありましたが、神奈川ではずっと派閥の主導権争いが続いている状況です。同じ県連といっても、横浜中心の“菅グループ”と厚木の甘利さん率いる“麻生派陣営”は、まったく相入れないんです」
それぞれの思惑により国民が犠牲になるのは言語道断だ。
( SmartFLASH )