8月26日に放送された『おはよう日本』(NHK)の内容が注目を集めている。この日の特集では、中国企業が運営する格安通販サイト「Temu」と「SHEIN」が取り上げられ、革新的だと紹介されたのだが――この特集に、多くの批判が寄せられている。
「『おはよう日本』では『中国発の“越境EC(電子取引)”の急拡大の要因と課題』と題して特集を組みました。Temuに関しては価格の安さを強調し、同社の広報コメントも紹介するなど、大絶賛でした。
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しかし、放送があった時点で、すでにTemuやSHEINの製品から、基準値を大幅に上回る有害物質が検出されたと何度も報じられているんです。
これらの通販サイトには多くのコピー商品が並んでいるとの指摘もあります。ところが、番組ではこうした問題に対し、Temu側の『商品を監視して、違反した生産者を排除する』というコメントを紹介するだけで、掘り下げもしませんでした」(外報部記者)
タイミングが悪いことに、番組放送の2日後には、再び『Temu』の製品から有害物質が検出されたことが公表されている。
「韓国の『電子商取引センター』は、ネット通販のトラブルや問題点などを、定期的に公表しています。通販サイトの商品に含まれた有害物質については、7月に2回、8月に3回調査結果が出されています。
8月のデータを見ると、たとえばTemuのサンダルのインソールから鉛が基準値の11.2倍、発がん性が疑われるフタル酸エステル類が83.3倍も検出されています。また、子供用のサングラスからは、鉛が基準値の237.9倍も検出されているのです。
有害物質が検出された通販サイトは、Temuだけでなく、SHEINやALI EXPRESSなど複数ありますが、こうした健康被害を起こしかねない商品について、なぜNHKは取り上げないのか、と疑問が集まっているのです」(同)
実際、Xでは、NHKの報道姿勢に批判が殺到している。
《NHK、これじゃtemuの宣伝だよ。放映時間の8割が利点で、課題なんて最後にちょっと。言い訳までしっかり放送。どうなってんの?》
《朝からtemuの賞賛に勤しむNHK。呆れました》
《とても好意的 発がん性の有害物質が検出されたり、マルウェア(編集部注:悪意あるソフトウェアなどの総称)だと言われてるのに、部品が壊れやすいとか模倣品くらいしか言ってない》
「中国系の通販サイトでは、個人情報を無期限で自由に使える条件でキャンペーンをおこなったり、現地でのブラックな勤務実態が伝えられたりと、問題が山積みです。そうした状況に目をつぶり、絶賛ばかりのNHKの姿勢は批判されても仕方ないでしょう」(同)
Temuを運営する「PDDホールディングス」は、8月26日、4~6月期の決算を発表。これまで順調に伸びてきた同社だが、競争激化や市場の低迷などで、売上高の伸びが鈍化しているとみなされ、株価は暴落、時価総額は1日でおよそ8兆円も縮小した。
曲がり角に来ている中国の格安通販サイト。NHKは、今後もこうした問題をスルーしていくのか。
( SmartFLASH )