社会・政治社会・政治

「兵庫県知事問題」で支持率4割減の日本維新の会に“分党”の予兆…吉村府知事の石丸伸二氏“すり寄り”に内部から批判が

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.09 16:55 最終更新日:2024.09.09 16:55

「兵庫県知事問題」で支持率4割減の日本維新の会に“分党”の予兆…吉村府知事の石丸伸二氏“すり寄り”に内部から批判が

2023年11月、プロ野球優勝パレードを満喫していた日本維新の会共同代表の吉村洋文大阪府知事

 

 9月9日、日本維新の会は、パワハラ的言動が報じられ、問題となっている兵庫県の斎藤元彦知事に、辞職要求と“出直し選挙”を求める内容の申し入れをおこなう。8日、同党の藤田文武幹事長が記者会見で明らかにした。

 

 政治担当記者はこう話す。

 

「斎藤氏は、維新の会と自民党本部が推薦し、2021年の選挙で知事になりました。自民党兵庫県連所属の議員の一部は対抗馬を支援したため、分裂選挙ではありましたが、県議会の自民党と維新の会には“生みの責任”があります。

 

 維新の決断が遅かった感はぬぐえませんが、ようやく斎藤氏を辞めさせるための一歩がスタートしたところです。一方、斎藤氏は9日午前に、辞職要求に応じない考えを示しました」

 

 

 今回の維新の会の辞職要求で、兵庫県議会の4分の3以上の勢力が斎藤知事の辞職を求める形になると見られる。不信任決議案が提出されれば、遅から早かれ知事は失職し、選挙がおこなわれることになる見通しだ。

 

「大阪府以外で初めて誕生した“維新系知事”とあって、パワハラ問題が発覚した当初は、百条委員会(調査特別委員会)の設置に維新の会の県議団は反対。執行部も、追及よりも真相解明を優先する態度を見せていました。それが方針転換せざるを得ないほどの“逆風”を感じたのでしょう」(前出・政治担当記者)

 

 9月9日に発表された「JNN世論調査」では、維新の会にとってショッキングな結果が表れていた。自民党や、野党の“ライバル”である立憲民主党の支持率が上昇するなか、維新の会は1.4ポイント下落の2.3%と、1カ月で4割弱も支持率が低下してしまったのだ。

 

「やはり斎藤知事の進退問題について、対応が遅れた影響が、維新の会の支持率低下につながったとみる向きが多いようです」(同前)

 

 そんななか、維新の会と自らの“切り離し”に躍起に思えるのが、同党共同代表の吉村洋文大阪府知事だ。

 

 9月8日、YouTubeチャンネル「ReHacQ-リハック-」では、吉村知事と前広島県安芸高田市長である石丸伸二氏の対談動画が公開されたが、その内容について、維新内部からも批判が起きる事態となっている。

 

 前提には、7月11日に橋下徹氏がXで投稿したこの発言がある。

 

《今の維新国会議員は完全に古い政治の象徴やからね。領収書の非公開を主張するわ、政治は飲みニケーションだというわ、旧文通費の使途制限や野党予備選から逃げるわ。

 

 石丸さんに国政維新をぶっ壊して無党派層を引き付ける新しい第三極を作ってもらうのが日本の政治のためやろうね》

 

「対談のなかで、石丸氏は、以前に橋下徹氏が提案した『野党は一本化のために予備選をやるべき』というアイデアに賛成の立場を示しました。

 

 そのうえで、石丸氏は『もしも自分が維新の会代表だったら』と前置きしたうえで“野党予備選”を公約にして、次期衆院選を戦い、それに乗らない野党は『片っ端から殲滅していけばいい』、『(そういう)戦略を僕ならゲーム的に考える』と話していました。

 

 それを聞いた吉村知事は『(石丸氏の発言は)カットしてもらって僕の発案に』と、前向きな態度を見せました。その後、『馬場(伸行共同代表)さんに刺客を送りたかったら、大阪17区で出ますよ』という石丸氏の発言なども、合いの手を入れながら、うなずいて聞いていたんです」(前出・政治担当記者)

 

 維新の会関係者は、吉村知事の迷走ぶりに怒りを隠せない。

 

「吉村知事は何をやっているのでしょうか。都知事選で維新に頭を下げに来たくせに“ステルス支援”じゃなきゃいやだと駄々をこね、敗戦後には維新を批判している石丸氏に、すり寄るようなもので理解不能です。

 

 総選挙に向けて、いまは党内が結束しなければならないときだというのに、馬場代表を批判し、国会議員団への攻撃を強める橋下氏や石丸氏まで持ち出して“身内”たたきにいそしむなんて……。

 

 吉村氏は共同代表ですよ。やっていることがおかしいと思わないんでしょうか。馬場代表が、6月の国会運営をめぐる党内説明会で『仲間を後ろから撃つことだけは控えていただきたい』と言ったのは、こういった動きを牽制していたはず」

 

 ただ、そんな石丸氏との連携でも、離れた世論を味方にできるかどうか――。Xではこんな声が聞かれている。

 

《野党予備選 全くの素人考え。例えば予備選で維新の人が勝てば、立憲の支持者はその人に票をくれるのでしょうか。勿論、逆も然り》

 

《公約が野党予備選て・・・ ウソでも政権公約を提示して戦ってくださいよ(呆れ 一体誰に向けた公約なんですか アホ2人の対談らしくて苦笑いしか出ない》

 

《野党を一本化するには思想が違いすぎるんじゃ?形だけ一本化してもまとまらないし、意味ないように思うけど。》

 

 前出の維新の会関係者はこう続ける。

 

「国政を知らんぷりできる橋下氏や吉村氏による石丸氏との連携は、いまの維新の会を解体し、“新たな維新”を立ち上げようとする動きの前兆だと見ています。反党行為とまでは言いませんが、明らかに分党行為ですよ」

 

 自民党で“首のすげ替え”が始まろうとしているとき、維新の会もまた、同じように“刷新感”を演出するのか――。

( SmartFLASH )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る