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火葬場での職員の“行動”にまさかの批判的報道…担当者は「表現に語弊」「やりたくてやってるわけではない」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.21 11:00 最終更新日:2024.09.21 11:00
現在、日本では「2025年問題」がにわかに囁かれている。
「団塊の世代」と呼ばれた世代が、2025年に後期高齢者に突入し現役世代の社会保障負担増加などが懸念される問題だ。だが、国民の4人に1人が75歳以上になる“超高齢者社会”への突入が抱える問題はそれだけではない。
「高齢化するのと合わせて死亡者も増加します。これを“多死社会”といいますが、厚生労働省によると、死亡者数は2040年にピークにのぼると言われています。しかし、『日本環境斎苑協会』によると、1988年に1921カ所あった火葬場は、2018年には1454カ所にまで減少しています。特に都心部では土地が残されておらず、火葬場を新設するのはなかなか難しい。火葬場は、今ある設備をフル稼働させる必要があると予想されています」(社会部記者)
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そんななか、9月18日に行われた岐阜市の「市議会一般質問」が話題になっている。岐阜市斎苑で、10年以上前から職員が火葬中に、遺体の頭部を金属の棒で突いて崩す行為をしていたことが明らかになり、「岐阜新聞」や「中日新聞」などが次々報道。「死者の尊厳を傷つける」として、批判的なトーンで取り上げたのだ。
取材に対し斎苑長は、「何もせずに頭から足の先まできれいに火葬が進むばかりではない」といい、「今後はより丁寧な扱いを心掛ける」とコメントを残している。
だがX上では、こうした報道に対しての批判の声が多く聞こえてきた。
《逆にこれ、やって下さってる火葬場の方にだいぶ感謝だよね... 一般人に出来る?》
《ちゃんとお仕事してくれてるのに、どんな問題があるのか??問題があると思うなら、遺族がやるしかないと思うけど…》
《市営だから問題だ→民間に委託→値上がりという道筋が見えた気がする》
《しっかりと燃やして骨だけにするんだから、燃えるように動かしていただいても何も問題ないと思う。祖父母を綺麗な骨だけにしてくれた火葬場のスタッフに感謝》
本誌は、報道に対して岐阜市の担当者に問い合わせると、「遺体を崩すという表現は語弊があります」と言いながらこう説明した。
「何もしなくても綺麗に焼ける場合もありますが、中々火が通らないところもあります。また、元々骨が弱い方などもいらっしゃるので、火葬中に頭が手前に移動してしまったり、足の位置が変わってしまった場合は、綺麗に整えることもあります。
(骨を)割るとか崩す目的ではないのですが、人が力を加えたことで結果、割れてしまうこともあるので、見方によっては、“手を加えた”というのは事実ではあるんですけれども……。
私どもも、手を入れることは申し訳ないという気持ちはあって、やりたくてやってるわけじゃないんです。最終的に火葬が終わった後に、できるだけ綺麗な人の形でご遺族にお返したいという想いを持っているのが実情です」
と語った。
「全国的に火葬場が足りなくなるなかで、今後もこうした問題が次々と発生するのは間違いないでしょう。“死者の尊厳”と“遺体の処理”を同時に成り立たせるのは各自治体の役目です。市民の声を聞きながら、火葬のやり方自体を変えていく必要もあるのかもしれません」(前出・記者)
火葬待ちで遺体が長期間放置されるのも“死者の尊厳”を踏みにじっているような気もするが……。
( SmartFLASH )