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【独自票読み】自民総裁選「進次郎140」「石破130」高市は? 麻生に “見殺し” にされる上川・河野の「票の行方」は

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.22 06:00 最終更新日:2024.09.22 06:42

【独自票読み】自民総裁選「進次郎140」「石破130」高市は? 麻生に “見殺し” にされる上川・河野の「票の行方」は

自民党総裁選の “大本命” である小泉進次郎氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 

 いよいよ「決着」の日が来る──。

 

 9月27日投開票を迎える自民党総裁選も、“秒読み”に入った。

 

本誌は、元朝日新聞政治部デスクの鮫島浩氏に総裁選の最終予想を依頼、最後に勝ち残るのは誰かを聞いた(9月22日時点の最新予想)。

 

 

「やはり小泉進次郎氏、石破茂氏、高市早苗氏の三つ巴でしょう。

 

3人のなかで進次郎氏有利は変わりませんが、ここへきて大きく失速している。

 

 失速の理由は、第一に『解雇規制』緩和をめぐる迷走です。

 

『選択的夫婦別姓』の問題も、もともと自民党の多数派を占める保守層には評判が悪い。

 

自民党内には世代交代への警戒感もある。

 

これらの失策がなければ、進次郎氏が圧勝していたかもしれません」

 

 さらに、進次郎氏の背後に控える “大物” の影もマイナスとなっているという。

 

「“菅リスク” です。菅義偉前総理が進次郎支持を明言していますが、菅氏の影響力が強まることへの警戒感も党内にはある。

 

 同じように、進次郎氏を推す森喜朗元総理の “森リスク” や、裏金や旧統一教会との関係を疑われる前政調会長の “萩生田(光一)リスク” も、失速の背景にあると思います。

 

 以上の分析から、進次郎氏の獲得票数は『党員票70票、国会議員票70票の計140票』が妥当でしょう」(鮫島氏、以下同)

 

 ここで、総裁選の仕組みを簡単にまとめておくと、党員票368票と国会議員票368票(合計736票)を投開票し、過半数に届けば当選、届かなければ上位2名の決選投票となる。

 

つまり、一番人気とされる小泉氏でも、過半数にははるか及ばないという予想だ。 

 

 続いて、石破氏の獲得予想は、「党員票100票、議員票30票の計130票」とみる。

 

「石破氏は総裁選の討論会でも安定感がある。

 

自民党内からも、『やっぱり進次郎より石破のほうがいいんじゃないか』という声が聞こえてくる。

 

ただ、旧安倍派や麻生太郎副総理に嫌われていることもあって、議員票が30票程度と伸びていない。

 

 意外に思われるかもしれませんが、今後の不確定要因として国際情勢も考慮に入れる必要がある。

 

ウクライナの戦闘が激化するとか、ロシアが報復するとか、緊迫して来たときに『新次郎で大丈夫か?』という声があがり、27日の投開票の直前に石破氏が一気に優勢になる可能性もある」

 

■経済界・金融界で一番人気の高市氏

 

 そしていま、“上げ潮” なのが高市早苗氏だ。

 

「党員票90票、議員票30票の計120票」が予想獲得票だ。

 

「高市氏は、経済界・金融界を対象にした調査では一番人気です。

 

高市氏ならアベノミクスを継承して金融緩和、財政出動などの政策を採り、株価も上昇すると期待しているわけです。

 

 加えて、高市氏はもともと、安倍支持層には絶大な人気があります。

 

この層はネットでの発信力も強く、進次郎氏のネガティブキャンペーンが広がっている。

 

党員票では、石破氏に迫る90票ぐらい行くでしょうね」

 

 その反面、議員票は伸び悩んでいる。

 

「支援者に、旧安倍派のなかでも、杉田水脈氏とか “キワモノ系” が目立ちます。

 

旧安倍派の中枢である福田達夫氏などは小林鷹之候補に集まっている。

 

 もともと安倍派の “五人衆”(松野博一氏、高木毅氏、西村康稔氏、萩生田光一氏、世耕弘成氏) は高市氏をライバルとして警戒してきたこともある。

 

高市氏は議員間のつながりも少ないので、議員票はせいぜい30票でしょう」

 

 ここまでの話を振り返ると、進次郎氏140票、石破氏130票、高市氏120票。

 

まさに横一線の戦いだが、接戦になればなるほど、3人以外の候補者の動向が勝敗を左右する。

 

■第2集団の動向は?

 

「第1集団が進次郎氏、石破氏、高市氏とすれば、第2集団は小林鷹之氏、林芳正氏ですが、いずれも党員票は伸びていません」

 

 鮫島氏の第2集団の予想は、小林氏が合計70票、林氏が合計60票だという。

 

「小林氏は全国的な知名度はないので、党員票は20票ぐらい。議員票では、50票とみて合計70票といったところでしょう。

 
 林氏は討論会での安定感を評価する声がけっこうあって、ジワジワ票を伸ばしているが、やはり知名度がないので、党員票は20票ぐらい。ただ、林氏は意外と上り調子。宏池会の議員に聞いても、ほとんど『岸田の時代は終わった、次は林だ』という声が多い。議員票は40票ぐらいは集まる。党員票の20票と合わせて60票ぐらいは取ると予想します」

 

■麻生氏に “見殺し” にされる上川氏と河野氏

 

 第3集団の動向も無視できない。上川陽子氏、茂木敏充氏、河野太郎氏、加藤勝信氏が20〜40票の下位に沈んでいる。

 

「上川氏は20人の推薦人を集めるにも苦労し、麻生派から9人、旧岸田派から5人回してもらったぐらい。討論会を見ても、あきらかな準備不足が目立ちます。取り憑かれたように『新しい景色を』なんて言ってますが、女性初の総理を目指すのに、選択的夫婦別姓に賛成できないというのは論理矛盾です。

 

 これも麻生氏の支持を得ているから、本音を言えないのでしょう。党員票20票、議員票20票、あわせて40票がせいぜいでしょう」

 

 茂木敏充氏も、上川氏と同数の40票という予想だ。

 

「茂木氏は不人気だから、党員投票は10票ぐらいでしょう。幹事長だから、票の貸し借りはあるだろうから、少しは伸びる余地があるが、あまりにも人気がない。党員票で10票。議員票の30票とあわせて、40票ぐらいにとどまる」

 

 河野氏も苦しい戦いが続く。

 

「河野氏はもう政治生命の終わりでしょうね。マイナンバーとワクチン問題で “化けの皮” がはがれてしまった。党員票10票程度、議員票25票で合計35票。8位か9位に終わるでしょう。

 

 麻生氏が河野氏を推したのは、大量擁立で進次郎氏の圧勝を阻止する “分散作戦” でしたが、もう負けが確実な河野氏に麻生派の票を入れるメリットはなくなった。

 

 麻生さんは、第1回投票で河野氏支援に回した18人を上位3候補に投票させようと考えているのではないか。これは上川氏も同様で、麻生氏が回した9人は第1回投票から上位候補に回す可能性があります。麻生氏は、河野氏と上川氏を “見殺し” にするんです」

 

■最下位・加藤勝信氏の「票の使い道」

 

 最下位は、まったく票が伸びていない加藤勝信氏だ。

 

「加藤氏は、最下位確定と言っていいと思います。推薦20人の議員票と党員票3票の23票ぐらいでしょうか。ただ、加藤氏は菅氏の “別動隊” です。菅氏が、加藤氏の持つ20票を第1回投票から『進次郎へ票を乗っけてくれ』と使うかもしれない。プライドの高い加藤氏が菅氏の要求をのむかどうかわかりませんが……」

 

 決選投票になれば、こうした下位候補の持つ票が、どの上位候補に動くかが焦点となる。

 

「小林氏の議員票50は、さまざまな思惑で集まっている票です。小林氏が『右向け』と言っても右を向くとは限らない。これが決戦投票の草刈り場になるはずです。

 

 その一方、派閥がバックにある茂木氏や林氏が強いのは、数十の基礎票を自分の一存で右から左に持っていけることです。この基礎票が、決選投票での “取引材料” になる。

 

 勝ち馬に乗れば、ポストを得られる。林氏、茂木氏は勝負では勝てなくても、決選投票の鍵を握れるわけです。自分が応援した上位候補が当選すれば、見返りに閣僚ポストを得ることもできます」

 

 鮫島氏は、投票態度を決めかねている浮動票の動向にも注目する。

 

「まだ投票先を決めていない議員票が約50。党員票が約30。こうした浮動票が、上位3人に集約されていくことになる。4位以下の候補に入れても死票になるのはわかっているから、浮動票は高市氏か石破氏か小泉氏の誰かに入ることになるわけです」

 

 投開票まで残り数日。水面下での駆け引きが面白くなってきた。

( SmartFLASH )

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