9月22日に実施された2つの選挙結果に、地域政党「大阪維新の会」が揺れている。
大阪維新の会といえば、国政政党「日本維新の会」の母体組織であり、大阪府内の地方議会の多数で“与党”となっているのだが……。
「22日におこなわれたのは、大阪府議会の補選と、摂津市長選でした。大阪維新の会所属だった元府議・中川嘉彦氏が摂津市長選に出馬するために辞職し、府議会の補選には、新人の三好俊範(としのり)氏が大阪維新の会から立候補しました。
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しかし、結果はどちらも敗れる形に。中川氏は市長選出馬にあたり離党していましたが、“維新系候補”と見られており、今回の選挙で、大阪維新の会は惨敗したとみる向きが強いです」(政治担当記者)
大阪維新の会は、7月7日投開票だった河内長野市長選では公認候補を擁立できず、前自民党府議が無投票で当選する、いわば“不戦敗”に。
7月28日投開票の大阪府議会議員河内長野市選挙区補選では、前市議で大阪維新の会新人の西田善延氏が敗北。さらに、8月25日投開票の箕面市長選でも、大阪維新の会現職の上島一彦氏が、無所属で元大阪府議の新人・原田亮氏に敗れた。
大阪府内の首長選挙、府議会補選で“連戦連敗”の状態だ。Xではこの結果を受けて、こんな指摘が続出している。
《維新の神通力もはやここまで》
《吉村との2連ポスターの神通力が切れた、いやメッキが剥がれた》
《維新のメッキが完全に剥がれた》
この状況について、大阪維新の会関係者はこう話す。
「河内長野市は、府知事である吉村洋文代表の出身地ですから、もはや吉村さんの人気も落ち目なのかもしれません。ここまで地元の大阪で負けが続くようだと、来たる総選挙は、日本維新の会もこのままでは戦えません。
前回の大阪府内の小選挙区は、公明党さんが立った選挙区以外はすべて維新の候補が勝ちましたが、次回はそう簡単には勝てないでしょう」
かつて、政党支持率が野党第1党である立憲民主党を超えていた時期もあった日本維新の会だが、9月9日に発表された「JNN世論調査」では、自民党や野党の“ライバル”である立憲民主党の支持率が上昇するなか、維新の会は1.4ポイント下落の2.3%と、1カ月で4割弱も支持率が低下してしまったのだ。
一方の日本維新の会関係者は、この状況の要因について、こう指摘する。
「支持率低下のおもな要因は、パワハラ問題で揺れる兵庫県の斎藤元彦知事と、大阪万博でしょう。維新の会は斎藤知事を県知事選で推薦し、斎藤知事誕生に大きな役割を果たしましたが、パワハラ疑惑発覚後の対応のまずさに、国民からそっぽを向かれてしまいました。
大阪万博は、国のプロジェクトとはいうものの、実質的には大阪維新の会が主導してきた事業です。それがパビリオンなどの建設が遅れ、しかも費用も膨張するなど、批判を浴びています。『大阪万博は能登半島地震の復旧、復興の邪魔をするな』といった批判まで出てきて、総スカンを食らっているような状況です」
さらにこの関係者は、日本維新の会が分裂の危機に陥っている可能性があるとも言う。
「総選挙に向け、いまは党内が結束しなければならないときだというのに、大阪府の吉村洋文知事は、馬場伸幸代表を批判し、国会議員団への攻撃を強める橋下徹氏や、橋下氏とつるんでいる石丸伸二前広島県安芸高田市長と一緒になって、身内たたきにいそしんでいる状況です。
党内では、こうした橋下氏と吉村氏による石丸氏との連携は、いまの維新の会を解体し、“新たな維新”を立ち上げようとする動きの前兆だと見られています。総選挙の結果次第では、大阪万博を迎える前に、党の存続すら危ぶまれる状態になるかもしれません」
これまで何度も大阪万博を「国家事業」と主張してきた維新の会。党がなくなれば、ますます投げ出しそうな気がするが……。
( SmartFLASH )