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「シンプルに動物虐待」12人が書類送検「上げ馬神事」の多度大社を直撃!批判呼ぶ当事者たちの“言い分”

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.09.25 19:33 最終更新日:2024.09.25 19:33

「シンプルに動物虐待」12人が書類送検「上げ馬神事」の多度大社を直撃!批判呼ぶ当事者たちの“言い分”

多度大社の神馬舎の中にいる白い神馬

 

 2023年5月に三重県・桑名市の多度大社にて行われる「上げ馬神事」で、馬に暴力的な行為をしたとして、9月24日、三重県警は氏子ら12名を動物愛護法違反の疑いで書類送検した。

 

「『上げ馬神事』とは、桑名市多度町の6地区が参加し、同地区の若者が馬に乗って坂を駆け上がり、最後に2mのほぼ垂直な土の壁を駆け上がるというものです。乗り越えられた回数によって農作物の豊凶を占うものです。その歴史は古く、南北朝時代から700年近く続いており、1978年には三重県無形民俗文化財に指定されています」(社会部記者)

 

 地元では「多度祭り」の愛称で親しまれ、地元をはじめ名古屋など東海地区から多くの観客が「上げ馬」をひと目見ようと訪れている。ところが、“観客の目”は時代ととともに変化しつつあるようで……。

 

 

「コロナ禍の影響で4年ぶりに開催された2023年、土壁を駆け上がる際に骨折した馬を殺処分したことで、動物愛護団体が同法違反の疑いで刑事告訴しました。神事で走らされている馬にとって、骨折するとほかの3本の足にかかる負担が大きく、自然死するリスクが高いことから安楽死を選ばれる事が多いのです」(社会部記者)

 

 骨折が命取りになるにもかかわらず、馬を興奮させるために鞭で叩く、蹴るなどして2mの壁を無理やり登らせる様子は、Xを中心に大きな批判を呼んだ。

 

《上げ馬神事の動画胸糞悪すぎやろ 楽しんでる参加者全員終わってるわ》

 

《上げ馬神事ようやく書類送検されたんだ ニュースで映像見ると涙が出て来る》

 

《シンプルに動物虐待だと思うし伝統行事でもないらしいし 伝統だとしても途絶えさせた方がいいやつだと思う》

 

 多度大社は、問題となった2023年の「上げ馬神事」直後の5月7日、公式HPで

 

《御厨氏子の中には、祭馬に憎しみをもって取り扱う者は決しておりません。 むしろ、献身的に祭馬に向き合い愛情をもって飼養しております。

 

残念ながら半纏でたたく等訪れた方々が不快な思いを抱かれる行為があったと報告があり、祭事関係者一同、困惑し残念な気持ちでいっぱいです。

 

 今後、この様なことが無い様、反省し厳格に周知徹底していく所存です》

 

 とした上で、主催団体である「多度大社御厨総代会」と第三者機関が連携して、

 

《動物の愛護及び管理に関する法律を始めとする関係法規を遵守し、歴史的価値及び文化的価値が損なわれることの無いよう努めて参ります》

 

 とコメントを発表した。そして2024年に開催された「上げ馬神事」では、問題となった土壁は取り払われ、坂道を駆け上がるのみとなった。その結果、参加した祭馬と氏子に怪我は起きなかった。

 

 本誌は、神事が開催されている「多度大社」に訪れた。鳥居の手前にある石段の真横には、「上げ坂」と呼ばれる、上げ馬神事に使われている急勾配の坂があった。現在は、白いシートが被せられているが、2023年まで土壁が存在した場所だ。坂を挟んで石段の反対側には、上げ馬を間近で見られる拝観席も併設されている。

 

 さらに鳥居をくぐると、すぐ左手に現れたのが「神馬舎」だ。中には白い神馬がおり、参拝客は100円を入れて、にんじんをあげていた。境内には、他にも馬にまつわるスポットが点在しており、いかに馬との関係性が深いか分かる。

 

 神職に今回の書類送検について話しを聞いた。

 

ーー書類送検されたことについて、神社としてどう考えている?

 

「特にコメントすることはないんです」

 

ーー今後も神事は続ける?

 

「もちろんそうですね。ご存知のように、今年は土壁をなくすなどをして、怪我人もでずに改善できました。第三者委員会も、“いい”とまでは言ってませんが、(来年もやるなら)今年のように、と話をしていました。県のホームページに書いてありますよ」

 

ーー書類送検についてはコメントはない?

 

「特に。どういう風に送検されたか分かりませんので、特にこちらからコメントするのは難しい」

 

ーー神事に批判もあるのでは?

 

「昨年のこともありまして、色々と改善を進めていますので」

 

ーー馬を安楽死させたことについてはどう思う?

 

「ホームページを見ていただければ」

 

 慎重な姿勢を見せつつ、書類送検に関しては一貫として「コメントすることはない」と繰り返し答えた。では、参拝客はどう思っているのか。桑名市内から訪れていた60代男性はこう語る。

 

「やっぱり神事だからなくなったら辛いよね。ただ、壁がなくなって、坂だけになったのは馬にとっても良いことじゃないですか。今後も継続されることを願います」

 

 別の名古屋市から訪れた50代男性も神事に肯定的な意見だ。

 

「農作物の占いをするわけだから、あの土壁がないと意味がないですよ。何百年も続く伝統だからそのまま続けるべきだったと思う。競馬場では馬が叩かれて走るのが当たり前なのに、神社だからという理由で規制されなければいけないのは違うと思う」

 

“伝統”と“動物愛護”のはざまで今も模索している最中のようだーー。

( SmartFLASH )

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