9月21日から22日にかけて発生した能登半島の豪雨災害。10月8日時点での死亡者数は14名になり、今なお県内31カ所の避難所に480人が避難している。また、1月1日に起きた能登半島地震でも、18カ所に147人が避難を余儀なくされている。しかも、豪雨被害で倒壊した家屋数はいまだ調査中だという。
こうした状況下、「首相就任から8日後の解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短」といわれる衆院選挙がおこなわれようとしている。
【関連記事:「自民党の利益のため」石破首相 “豹変解散” で割を食う能登被災者たち…現地では使用できる投票所を「調査中」の大混乱】
「10月5日には石破茂首相も視察のために石川県入りしました。県内の甚大な被害を見て『激甚災害』に指定することを明言しましたが、選挙に関しての言及はなかったようです。
避難所となっている集会所や公民館は投票所として使用できないので、代替施設の確保が大変です。
結果として、輪島市は前回の国政選挙から投票所数を2カ所減らして18カ所に、珠洲市は19カ所から10カ所にするということです。投票時間も2~3時間、なかには6時間短縮する案が出されています。
また、市町によっては避難所と投票所の間をシャトルバスで結ぶ案も出ていますが、具体的には決まっていません」(政治担当記者)
七尾市は、以前から決まっていた市長選が同日におこなわれるため、事務作業はさらに膨大になることが容易に予想される。
こうしたなか、最も心配されるのは、家屋が倒壊するなどして県外に避難していたり、自主避難して現住所がわからない有権者に投票所への「入場券」が届くのかどうかだ。
石川県選挙管理委員会に聞くと、「県内の有権者数は9月1日時点でおよそ92万人ですが、万が一、『投票所入場券』が有権者のお手元に届かなくても、身分証明書などを投票所にご持参していただければ投票はできます」との回答だった。今後は、このことを周知していくという。
しかし、災害からの復旧活動が優先されるいま、地元有権者の選挙に対する関心は低いという。投票率が大幅に下がることが予想されており、選挙管理委員会も「そのことについてはなんとも……」と答えに窮していたが、Xにもやはり同様の声が投稿されている。
《投票所を減らし投票時間も短縮するのは 憲法に保障されている投票する権利の 侵害につながるのでは》
《被災地ろくに支援もせずに投票もさせないなんて、被災者を完全に見捨ててるじゃん》
《復興が進まない中で行う選挙は平等なのだろうか》
怒りや疑問のポストが多く寄せられている今回の総選挙。被災者ファーストの選挙がおこなわれることを祈りたい。
( SmartFLASH )