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「時給1500円」自民・立憲そろって公約も財界トップは「そんなの無理」…選挙前の甘言に議論沸騰「議員も時給で」「消費税廃止を」

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.10.23 17:20 最終更新日:2024.10.23 17:20

「時給1500円」自民・立憲そろって公約も財界トップは「そんなの無理」…選挙前の甘言に議論沸騰「議員も時給で」「消費税廃止を」

最低賃金1500円を求めるデモも頻発(写真・時事通信)

 

 衆院選も投開票まであとわずか。各党の政策論争がヒートアップするなか、財界を巻き込んで大きな議論となっているのが、与野党ほぼすべての党が公約に掲げている「最低賃金1500円」だ。

 

岸田文雄前首相が2023年8月、『2030年代半ばまでに時給1500円を目指す』との目標を示しましたが、各党は、その政府目標を前倒しにして公約に掲げています。

 

 石破茂首相は『2020年代に1500円』を実現すると表明。公明党も『5年以内』の1500円達成を主張しています。

 

 野党も、立憲民主党は、適切な価格転嫁による底上げで『1500円以上』を目指すとしており、共産党も『1500円以上』としたうえで、全国一律にして地域格差をなくすと訴えています。れいわ新選組と社民党も、全国一律1500円を主張しています。

 

 国民民主党は全国一律の1150円を早期実現するとしており、具体的に掲げていないのは、日本維新の会と参政党くらいです」(政治担当記者)

 

 日本の最低賃金は、2024年度で1055円(全国平均)と、前年より5.1%上昇したが、この物価高では “焼け石に水” が実感だろう。庶民にとって最低賃金引き上げは大歓迎だが、問題は「2020年代に1500円」という目標が本当に達成できるのかどうかだ。

 

 10月22日、住友化学会長で、経団連の会長を務める十倉雅和氏は、主要政党が掲げる「最低賃金1500円」の公約について、「(目標は)チャレンジングでもいいが、とうてい達成不可能」と牽制球を放った。

 

「十倉氏は、岸田政権が掲げた『2030年代半ばに1500円』という目標でも、年平均で4%程度の引き上げが必要になると説明。さらに、2020年代に達成するには7%超の引き上げが必要で、3年で実現するには年15%の引き上げが必要になると明かしました。

 

 そして、『チャレンジすることも難しいようなことにこだわってはいけない。これから政労使でよく話し合っていきたい。あまり乱暴な議論はすべきではない』と述べました」(同)

 

 

 いっぽう、財界からは最低賃金引き上げを積極的に主張する声も聞こえてくる。10月18日、サントリー社長で経済同友会の新浪剛史代表幹事は、「最低賃金1500円を払えない経営者は失格」と発言して物議を醸した。

 

「新浪氏は『最低賃金を払えない企業が倒産すると(働いている人は)ほかの生産性の高いところへ行き、人にとってはいいこと』と主張。人件費の負担増による中小企業の経営難については、『(企業同士が)合従連衡すればいい。できる経営者が出てくる』と反論したのです」(同)

 

 日本を代表する財界人2人の意見が真っ向から対立したことで、Xではさまざまな意見が寄せられ、議論が沸騰状態だ。

 

《時給1500円で8時間働いて一日12000円。週5日働いて月24万。これが無理? 色々と引かれるからその額を貰える訳じゃないし。ってか、あんたらみたいな無能が多額の報酬を貰える仕組みがおかしいんだよ》

 

《勝手に政治に首を突っ込むな。消費税を上げるべきだとか勝手な事をちょいちょいいってくるよね? 何様なの? 法人税大幅減税されていてなんか狂ってないか?》

 

 と、十倉氏を批判する意見もあれば、

 

《失格なんて言われたら辞める企業も出てくるね。そうなったら賃金1500円どころか失業者が溢れかえる。どうしてこう現実離れしたことしか言えない人たちなんでしょう》

 

《最低賃金引き上げで潰れる会社は守らなくていいって言うなら、まずサントリーの下請け企業すべて時給1,500円にしてください。当然、下請けからの値上げ要請も受けてください。もしそれに耐えれないなら、新浪代表の言ってることは綺麗事です》

 

 と、新浪氏を批判する意見もある。

 

「言うまでもなく、サントリー関連会社で、すべて時給1500円にしているわけではありません。実際に求人情報を見てみれば、工場見学のアシステントで1100円、売店のスタッフで1220円といった具合です。ですから、新浪氏の意見がきれいごとなのも確かですが、『上げよう』と言わなければ上がらないのも間違いありません。

 

 そして、実際に時給が上がれば、働き手の生産性が向上しない限り、会社の利益が減るだけです。そのぶんのコストを値上げでカバーすれば、今度は消費者の負担が膨らみます。

 

 賃金負担をいやがる会社は、雇用や労働時間を減らす恐れがあります。これは時給アップを先んじて実施した韓国で見られたことですが、バイトが2人から1人に減り、その1人も勤務時間が半減するような事態が続発しました。やみくもな時給アップをすれば、失業率も上がり、店舗の倒産も激増するはずです」(同)

 

 Xでは、実現の見込みがなさそうな最低賃金引き上げを公約に掲げる各党にも批判の矢が及んでいる。

 

《最低賃金1500円は地方や中小企業が困ると言うなら消費税廃止すれば良いのに。そのほが中小企業は助かるし貧困層も》

 

《そうだ!国会議員も65歳以上になったら最低賃金で時間給にしたらどうかしら? みんな辞めるかしら?》

 

《最低賃金1500円にします!いやそれどうやって実現するのよ。公約達成するための具体的な方法を誰も言わないじゃんね。鼻先人参かよ》

 

 選挙前だけ甘い言葉をささやく政治家を、きちんと見抜いて投票したい――。

( SmartFLASH )

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