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「バカ公安委員会」北海道猟友会がヒグマ駆除“拒否を検討”報道…“駆除したら銃刀法違反”と“善意頼り”の体たらく

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.15 12:30 最終更新日:2024.11.15 12:33

「バカ公安委員会」北海道猟友会がヒグマ駆除“拒否を検討”報道…“駆除したら銃刀法違反”と“善意頼り”の体たらく

2023年に駆除された「忍者グマ」OSO18(写真提供・北海道釧路総合振興局)

 

 2024年にも全国で発生している熊による被害。特に、北海道ではヒグマの活動が活発で「OSO18」は2023年にハンターの手によって駆除されるまで、放牧牛を中心に60頭以上を襲い、大きな被害をもたらした。

 

「環境省によると、北海道におけるヒグマを含むクマによる被害人数は、2023年で9名。2名が命を落としました。また。2024年は死亡者こそいないものの、すでに3名が被害に遭っています。過去には三毛別羆事件といって、村民7人が次々と被害に遭うこともありました」(社会部記者)

 

 自動車と同じ速度で走り、強力な爪と牙、そして圧倒的な筋力で獲物をねじ伏せるーー。“素人”がヒグマに対処できる術はほとんどない。

 

「これまで、被害を未然に防ぐために活動を担ってきたのが『猟友会』のメンバーです。猟友会とは、狩猟免許を持つ者が入会できる団体で、市町村を単位とする“支部”があり、そこに加入することで会員となります。狩猟の他に、市町村から要請された有害駆除などをおこないます。基本的には熊が住宅地の近くに出没した際や、家畜が被害にあった際は、猟友会に連絡が行き、ハンターが駆けつけて駆除をおこなう形です。ヒグマ被害の多い北海道では、北海道猟友会の会員が活動し日々の安全な暮らしを守っているというわけです」

 

 

 だが、11月14日、各紙はある“異変”を報じた。

 

「なんと、北海道猟友会が今後はヒグマの駆除要請に応じない方向で検討している、と報じられたのです。一方、同団体は同日午後に一連の報道を受けてホームページに会長のコメントを掲載。『本会では、従来から行っている市町村からのヒグマの駆除要請については、誠実に対処することとしており、現時点でその方針に変わりが無いことを、報道機関に申し入れいたしました』と語っています。報道もあくまで“検討”という内容だったので、明日以降、ヒグマの駆除要請に北海道のハンターが一切応じなくなるという受け取られ方をしないよう、注意を促したのでしょう」(同前)

 

 だが、同団体がヒグマの駆除に消極的になるのには理由がある。2018年に、駆除活動の根幹を揺るがすような事件が起きたのだ。

 

「猟友会の男性が、砂川市の要請を受けて、ヒグマの駆除をおこないました。現場には市職員と警察官も同行。市職員の依頼を受け、ライフル銃を1発発射してヒグマに命中させました。

 

 ところが、その後砂川署(現・滝川署)は、この男性を銃刀法違反などの疑いで書類送検しました。こちらは不起訴処分となったものの、今度は北海道公安委員会が、男性が発射した場所は、銃弾が到達する可能性のある建物があったとして、銃刀法違反と認定し、銃所持の許可を取り消しました。

 

 男性は、不服だとして訴えを起こすと、一審では訴えが認められましたが、10月に北海道高等裁判所で行われた二審では、一転して退けられたのです。つまり、男性は市役所に呼ばれて駆除に駆けつけ、警察官も居合わせる中で銃を発射したのに、後から“違法だった”と注意されたのです。

 

 もちろん猟友会としては受け入れ難い判決でしょう。これ以上、理不尽に銃刀法違反に問われるハンターが出ないよう、駆除に応じないことを検討するのは当然でしょう」(社会部記者)

 

 Xでは、公安委員会への怒りの声が並んでいる。

 

《まあ当たり前だよな。ヒグマを駆除してくれ言われて、言われた通りにしてるだけで免許取消しとかあほらしすぎてやってられんね》

 

《猟師のおかげで護られてるとも分からず本来北海道側が守らないといけないのに猟友会の敵になってるんだから要請蹴るのは当たり前よね》

 

《そりゃそうなるよ、当たり前だろこれでクマ被害出たら現代の寓話みたいで笑えない》

 

《もうバカ公安委員会自ら熊を駆除すればいいんすよ》

 

《北海道好きとしては札幌高裁と公安委員会がポンコツすぎて足を踏み入れるのを躊躇しそう》

 

 こうした怒りの背景には、そもそも自治体がハンターの“善意”に頼ってきたという経緯もある。

 

「現在のヒグマ駆除は、自治体が猟友会に駆除を依頼していますが、手当があまりに少ないんです。例えば、北海道奈井江町では、2024年5月まで、基本的な日当4800円に加え、出没地周辺の見回りなどの対策は3700円でした。これではあまりに少なすぎると、猟友会が依頼を断るようになると、町は報酬をアップしました。ただ、それも巡回やわなの設置などに1時間あたり1400円を加算、クマの駆除が切迫している場合は1.5倍になり1時間あたり2100円を加算する、というものです。ちなみに、捕獲した場合は2万円です。

 

 例えば8時間稼働した場合、最大で4万1600円が支払われることになりますね。とはいえ依頼は不定期ですし、ハンターの善意に頼っているのは間違いないでしょう」(同前)

 

 だが、ヒグマ駆除はまさに命懸けの行為だ。2024年5月、北海道猟友会・砂川支部奈井江部会の山岸辰人部会長は本誌に熱っぽくこう語っている。

 

「クマという獣をたとえるなら、米軍の特殊部隊員、それも、牙と爪を持った “ランボー” を相手にするようなもんなんだよ。彼らは音もなく近づき、どこから来るかわからない。腕3本分向こうの距離を、250kgあるクマが俺の横を匍匐前進して通りすぎても、察知できない。

 

 俺たちハンターが風上にいたら、100%、やられるからね。みなさんは駆除と簡単に言うけど、どれくらい危険をともなうのか、理解できるかっていう話でもある」

 

“ランボー”と戦った結果、銃刀法違反で処罰を受けるーー。誰がヒグマから市民を守っているのか、公安委員会の考えを知りたいものだ。

( SmartFLASH )

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