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【独自】「300万円なんて貰ってない」秋元司元議員 IR汚職事件めぐるFBIの発表を断固否定…マカオでの性接待、セリーヌのバッグも“無し”
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.23 18:25 最終更新日:2024.11.23 18:25
「いやいや、300万円なんて貰ってないから。全部、検察側のでっち上げです」
と、本誌に怒りの告発をするのは元衆議院議員の秋元司氏だ。現地時間11月18日、米司法省はオンライン賭博業者である「旧500ドットコム(現ビットマイニング)」CEOの潘正明被告を「海外腐敗防止法」違反の疑いで起訴したことを発表した。
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「発表によれば、捜査はアメリカ連邦捜査局(FBI)の国際汚職捜査班があたり、日本の捜査当局も協力したとあります。潘被告が起訴されたのは、日本のIR(カジノを含む統合型リゾート)事業者選定のための工作として、日本の国会議員を含む政府関係者に対し、仲介した同社顧問のコンサルタントを通じて、約200万(約3億円)ドルものわいろを渡した容疑で、すでに潘被告は司法取引で容疑事実を認めています。ただ、司法取引によって5400万ドル(約84億円)の罰金が科される予定だった潘被告がCEOを務めていたBITマニング社は、捜査協力を条件に罰金が最小で600万(約9億円)ドルまで減額され、さらに3年間の起訴猶予協定も結ばれているようです」(司法担当記者)
今回、公開された起訴状や広報資料によれば、旧500ドットコムの日本の政界工作は、現金供与だけでなくマカオや北海道への接待旅行、さらに旅行先での行楽費用や飲食費用や高級ブランド「セリーヌ」のバッグ等の土産代金、さらには性接待のための女性への支払いもあったという。前出の司法担当記者がこう続けた。
「旧500ドットコムの政界工作は、日本では『IR汚職事件』として東京地検特捜部が捜査しました。当時、内閣府副大臣でIR担当だった秋元司氏が逮捕され、2024年3月に東京高裁が760万円相当を賄賂と認定。懲役4年と追徴金の実刑判決を受けています。当時、特捜部の事情聴取を受けたのは自民党で現外務大臣の岩屋毅議員、中村裕之議員、宮崎政久議員、船橋利実議員、さらに日本維新の会(当時)の下地幹郎議員でした。
しかし、容疑はほぼ贈賄側のコンサルタントの供述と、家宅捜索して押収した証拠を基にしており、下地議員以外は現金授受を否定しています」
贈賄を認めたコンサルタントの関係先から押収した証拠には、金額を書いたメモもあったという。東京地検特捜部は、下地議員が授受を認めたことで、供述とメモに一定の信用性があると判断。さらに4人についても捜査を続けたが、容疑を裏付けることが出来ずに逮捕までは至らなかった経緯がある。
その中で、唯一、収賄罪で逮捕され裁判の結果、有罪判決を受けた(現在、最高裁に上告中)のが、秋元氏なのだ。本誌が今回の米司法省の発表について秋元氏に取材すると、開口一番に出たのが冒頭の発言だ。
「もともと『IR事件』は、コンサルタント側に税務調査が入ったことが発端です。そこで押収されたメモには、4人だけでなく自民党の大物議員への現金提供もありました。しかし、実際に現金提供があったのかはそれだけでは判りませんよね。東京地検特捜部は、メモを元に捜査をしたものの、コンサルタントの言い分以外の証拠はありませんでした。たまたま、内閣府副大臣で職務権限のあった私が“スケープゴート”にされただけです」
とはいえ、秋元元議員も接待旅行があったことは認めている。しかし、報告書にあるような内容ではなかった主張する。
「確かに用意してもらったチャーター機に乗り、マカオで飲食の提供を受けました。ただ、これは通常の視察旅行の範囲と考えています。北海道への旅行もIRの立候補予定地だったので見に行った。ただこれだけのことです。また、お土産のセリーヌのバックなど貰っていませんし、東京地検の取り調べてもで聞かれたことがありません。
マカオでの性接待のことは、私も取り調べをうけましたが、私は受けていませんので否定しています」(秋元氏)
さらに有罪判決を受けた現金供与についても、真っ向からこう否定した。
「そもそもコンサルタントが議員会館を訪れて現金300万円を渡したとされる日は、議員会館には居ませんでした。別の官庁の式典に出席していて、その式次第と、携帯のGPS記録も裁判では不在の証拠として提出しています。しかし、こうした証拠はことごとく採用されず、有罪判決を受けてしまいました。コンサルタントが潘CEOから工作資金を受け取っていたのかもしれませんが、私が現金を受領した事実はないんです。当然、最高裁でも無罪を主張していきますよ」(同前)
米司法省の広報書類では、賄賂を受け取った側の人物は匿名とされている。FBIは引き続き捜査を進めると発表しているが、今後どうなるのか。元東京地検特捜部検事で、米国捜査機関との捜査協力の経験もある弁護士の落合洋司氏はこう話す。
「司法取引することで被告は罰金や量刑で有利な取り計らいをしてもらうので、賄賂を渡した側である潘被告の容疑はこれで確定でしょう。賄賂を受け取った側と疑われる秋元氏をはじめ日本の議員らの捜査資料は当然、日本の検察からFBIに渡っているはずです。今後、米国側が任意で関係者の事情を聴くこともあるかもしれませんが、日本の検察は秋元氏しか起訴できなかったわけですから、米国がそれ以上に誰かを立件することは、難しいでしょうね」
謎は深まるばかりだが、匿名とされている“政府関係者” の名前は、いずれ明らかになるかもしれない。
( SmartFLASH )