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韓国に戒厳令でも日本のテレビは “ゆるゆる番組” ばかり…問われる各局の「甘すぎ」状況判断
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.04 16:42 最終更新日:2024.12.04 16:42
12月3日夜、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は来年の予算案に合意しない野党側の対応に、「国政は麻痺状態にある」として、政治活動を禁止する「非常戒厳」を布告した。一時は韓国内のみならず、日本への影響も心配され、ネット上は騒然となった。
「韓国の国会では、非常戒厳を解除するよう要求する決議案が即座に可決され、ユン大統領は、4日朝早くに非常戒厳の解除を発表しました。
石破首相は4日午前、記者団に『特段かつ重大な関心を持って注視している』と述べ、『邦人の安全に万全を期す』と話しましたが、この『非常戒厳』は、トランプ氏に袖にされている石破政権にとって打撃です。
2025年1月に訪韓して、北朝鮮への対応などを話し合う予定だった石破首相は『まだ何ら(訪韓は)具体的に決まっていない』としましたが、韓国の政治が不安定な状況ですから、訪韓は難しいでしょう」(外信担当記者)
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ユン大統領の “暴挙” をうけて、夜中にもかかわらず大勢の人が国会前に押し寄せ、警官らと衝突する動画などが拡散されている。こうしたことから、韓国がいかにカオスだったのか漏れ伝わってくるのだが……。
「外交問題に甚大な影響を与えそうな今回の非常戒厳ですが、日本のマスコミの取り上げ方は小さく、いつもの情報番組で朝が始まったので、危機感は感じられませんでしたね。
もうひとつ批判されているのは、テレビ局の速報体制の甘さです。非常戒厳令が発令されたのは12月3日の午後10時27分。日本への影響も大きいですから、本来なら速報で報じたり、緊急ニュースを放送したりする事例のはずです。
しかし、民放各局の多くは、その時間帯はバラエティ番組が放送されています。だからなのか、特に大幅な番組編成の変更などもないままでした。
ネットで異常事態を知った視聴者も多いようで、この『テレビ局の緊急性の欠如』について批判が殺到しているのです」(同)
こうしたテレビ各局の体制について、日本大学危機管理学部教授の福田充氏は、Xで《尹大統領の非常戒厳令。日本では地上波もBSも、NHKも民放も、今夜のテレビ放送はこの隣国の危機に対してほぼ全く触れずに通常放送のバラエティとアニメとショップ系》と投稿し、“ゆるゆる番組” ばかりの状況に疑問を呈している。
ほかにも、Xにはこんな投稿がされていた。
《44年ぶりに韓国大統領が発令した戒厳令による非常事態を全く中継しなかったことに、一晩明けて怒りよりも恐怖を感じてしまう》
《Twitterで事態を知って、非常戒厳令の報道待ちをしていたけれどまったく触れられなかったので寝た もう事件事故でテレビ見なくてもいいかなっていう》
《少なくとも非常戒厳令に切り替わった時点で中継開始すべきだった》
「編成を変えるのはそうとう大変でしょうから、即座の判断でバラエティ番組を中断できないのもわからなくはありません。しかし、こうした “様子見” の態度をとっている間に、ネットでは情報が拡散されました。テレビ局がその速度についていけなければ、今後も視聴者はテレビよりネットを優先してしまうでしょう。
今回は、戒厳令発令のタイミングが夜の “ゴールデンタイム” と重なってしまったため、余計に緊張感のなさが目についたのかもしれないですが……」(同)
即座に解除されたことで大事には至らなかった今回の戒厳令だが……次に有事が起こったときの対応で、テレビ局の報道体制が問われるだろう。
( SmartFLASH )