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つばさの党・黒川代表、異例の「23時半保釈」の理由は…東京高裁の “だまし討ち” に司法クラブは抗議の意向
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.19 15:55 最終更新日:2024.12.19 15:55
4月におこなわれた衆院東京15区の補欠選挙で、「つばさの党」代表の黒川敦彦代表(46)が、選挙妨害で公職選挙法違反に問われた事件。
現在公判中だが、東京拘置所に拘置されていた黒川被告が、12月17日深夜に保釈された。ところが、この保釈をめぐり、東京地裁にある司法記者クラブと裁判所の間で、騒動が勃発しているという。いったい何があったのか。
17日の深夜23時30分ごろ。東京拘置所から保釈された黒川被告を迎えたのは、黒川被告の内縁の妻で朝霞市議の外山麻貴氏(52)と通信社の記者、ユーチューバー記者の3人だった。黒川被告は、自身が保釈されるというニュースに報道陣が殺到していると思い、こう話した。
「マジで(報道陣が)帰るの? 帰るってあんの? 絵(注:写真や動画)を撮れないじゃん、だれも」
じつは、この日の午後、東京地裁は黒川被告の保釈を許可する決定を下していた。保釈保証金は1000万円。保証金を納めれば、即時保釈されるはずだった。だが、検察側は決定を不服として抗告し、東京高裁がこれを棄却していた。
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ある報道関係者が、次のように語る。
「検察の抗告が棄却されたと聞いたので、今日中に黒川被告は保釈されると思い、東京拘置所に取材に行きました。テレビ局や新聞各社も集まり、今か今かと待っていたのです。
ところが、夜の20時半ごろ、東京高裁の広報担当者から『今日はこれから何も広報する案件はない』旨が伝えられたのです。通常、保釈時には広報担当がなんらかのアナウンスをします。つまり、この広報担当者の発言は、要は『今日は黒川被告の保釈がない』と言われたも同然なのです。それで、報道各社はいっせいに引き上げました」
司法記者クラブは、各都道府県の裁判所にある記者クラブ。東京の場合は東京高裁に置かれ、新聞社や通信社、テレビ局の合計19社が加盟している。裁判の取材をおこなうほか、東京拘置所から拘置されている人物が保釈される場合は、その確認のため報道することが求められている。
前出の報道関係者が続ける。
「今回は、東京高裁の広報担当者から、実質的に『今日の保釈はない』と言われたのに、保釈した。これは司法記者クラブに対して “だまし討ち” したということです。こんなことは前代未聞ですよ。なぜ東京拘置所は、報道陣が帰った後にこっそり保釈したのか。これは、裁判所に対する信頼関係を揺るがしかねない事態です」
当の黒川被告は、保釈された際、こう話していた。
「(拘置所では、夜の)9時半に寝ちゃうんですよ。9時に消灯ですから。だから、寝ようと思ったら、ガラガラってきて『出るよ』って。保釈ですって」
本人も、まさかこの時間に保釈されるとは思っていなかったようだ。現場にいた別の報道関係者はこう話す。
「保釈が決定した際、拘置所の敷地内で黒川被告が囲み取材をおこないたい旨を拘置所に伝えていました。でも、拘置所側は自分たちの敷地内でそうした場所を設けることはできないので拒否し、揉めていたのです。それもあり、拘置所は報道陣が帰った後にこっそり保釈したかったのでしょう」
記者からすれば “だまし討ち” だが、はたして東京高裁はどう考えるのか。広報に問い合わせたところ、個別の事例について「お答えしていません」とのみ回答があった。
7カ月間拘留されていた黒川被告は、「(保釈は)言うほど感動がなかった」と話し、拘置所を後にした。司法記者クラブは、東京高裁に対し、抗議する意向だという――。
( SmartFLASH )