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大阪で吹き荒れる「橋下徹は維新の関係者」論争…党内は「引っ搔き回さないでくれ」が本音も世論はいまだ「功労者」イメージ

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.23 17:02 最終更新日:2024.12.23 17:02

大阪で吹き荒れる「橋下徹は維新の関係者」論争…党内は「引っ搔き回さないでくれ」が本音も世論はいまだ「功労者」イメージ

橋下徹氏は維新の関係者か否かの論争が繰り広げられている

 

 大阪府知事、大阪市長を歴任し、大阪維新の会、日本維新の会を創設した橋下徹氏。彼の“立ち位置”をめぐり、政界では論争が巻き起こっている。同党の政調会長の青柳仁士衆院議員が「現在は維新の関係者ではありません」と発言し、波紋を広げているのだ。

 

 ことの発端は青柳氏のX。青柳氏は12月21日、「【国民民主党】維新の会と財務省にど正論をかます榛葉さん」と題された国民民主党の榛葉賀津也幹事長のYouTubeを引用ポストした。

 

 その動画で榛葉氏は「維新の関係者は、維新の思いを通せば、国民民主党の思惑を打ち砕くことができると言った」と発言。これは12月17日に橋下氏がXに投稿した、《維新の出方次第では国民民主の主張を潰すことができることを国民民主に認識させるべき。国民民主の維新軽視を放置すべきではない》を受けての発言だと思われる。

 

 

「しかし榛葉氏の発言の一部に誤りがあったため、青柳氏は《榛葉幹事長、いくらなんでもこの発言は酷いです》《誰もそんなこと言ってません。両党でやれば103万円の壁突破の可能性も飛躍的に高まるのは明らかなのだから一緒にやりましょう》とXに投稿。橋下氏の発言を否定し、日本維新の会との共闘を呼びかけました。

 

 誤引用については国民民主党の玉木雄一郎氏が自身のXで、《榛葉の発言した「国民民主党の思惑を打ち砕くことができる」は正確ではなく、正しくは「国民民主の主張を潰すことができる」でした》と『思惑』と『主張』が違っていたことを説明しました。

 

 さらに、《国民ためにお互い頑張りましょう》とエールの交換も。しかし、玉木氏が最後に《橋下さんもその思いは同じだと思っています》と付け加えたことで話がややこしくなりました」(政治担当記者)

 

 一時はゴタゴタした国民民主党と日本維新の会。玉木氏の歩み寄りで事態は落ち着くかに思えたが、橋下氏を立てた形の玉木氏の投稿が思わぬいざこざを招くことに。青柳氏は12月22日、《橋下さんは現在、維新の関係者ではありません》《この文脈で関係者と呼ぶのは無理があると思います》とXにポストしたのだ。

 

 橋下氏は大阪府知事だった2010年に地域政党「大阪維新の会」を立ち上げ、代表に就任。2012年には国政政党「日本維新の会」を結党して代表になり、2015年に大阪市長の任期満了で政界を引退するまでの5年間、「党の顔」として維新を引っ張ってきた。

 

 そのため、関西圏の支持者の多くは今でも「維新の会=橋下氏」という認識が強いと言われ、10月の衆院選で維新の会が議席を減らしたときは「橋下再登板」を期待する声も出た。

 

 実際、大阪での橋下氏の立ち位置はどのようなものなのか。自民党府政関係者はこう語る。

 

「橋下氏が維新の会を離れたあとに当選した若手には、橋下氏の功績は認めつつも『外野から引っ掻き回さないでくれ』という意識があるんです。大阪維新の会が『橋下商店』と言われる現状から脱却したいのです」(自民党府政関係者)

 

 しかしXでは《維新の勢力拡大をさせた当事者である橋下徹は ずっと維新の関係者です》《橋下徹を維新の関係者じゃないという見方の方がどう考えても無理がある》《創設者だし、やっぱり多くの人は未だに維新=橋下徹と松井一郎だと思ってる》などのポストが目立つ。やはり有権者にとって、橋下氏の存在感はいまだに大きいようだ。

 

 橋下氏の存在が薄くなると、維新の会全体の支持率にも影響が出ることが予想される。維新の会にとってのジレンマが、国民民主党とのいざこざで露わになってしまったようだ。

( SmartFLASH )

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