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前代未聞の妻同伴で会見した岸和田市長、実家は保育園経営、父は元府議会副議長の“名門”出身
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.25 20:20 最終更新日:2024.12.25 20:21
政治活動で知り合った女性に性的な関係を強要したとして、女性から約2280万円の賠償を求められ大阪地裁に提訴された大阪・岸和田市の永野耕平市長。「同意があった」「交際している認識だった」と主張していたが、11月に解決金500万円を支払い和解が成立した。
だが、12月24日付の朝日新聞は女性の「和解したくなかったが、心身ともにぼろぼろ。裁判を早く終わらせたい思いで諦めたのが実情で、今でも本当に悔しい」というコメントを掲載。スムーズに和解に至ったわけではないことをうかがわせた。
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その永野市長に対して岸和田市議会が12月20日、不信任決議案を提出。可決された。
「市長は24日に記者会見を開き『不信任決議に大義はない。市民の皆さんに、どんな方々に市議会議員をしていただくか決めていただきたい』として、失職ではなく市議会解散を決断した理由を述べました。
そして『新しい議会で再び不信任案が可決されたら私は自動失職になるので(そのときに)市長選挙をやります』とも語りました」(政治担当記者)。
その後、開かれた永野市長の会見では出席者が驚く事態が起きた。妻の紗代さんが同席したのだ。
そこで「夫は大事な家族」「事実を知っていただきたい。(女性への)加害はないのに、あるように報道されてつらい日々だった」と訴えたものの、女性との性的関係には「家庭内の問題なので、ここでは控える」と言及せず、永野市長も「(妻に)許してもらっていない。一緒に暮らしていますし、結婚生活も続けていて、お互い大切に思っていますが、許してもらっていない。許されてると思っていない」と語ったが、市長夫妻は見つめ合い微笑んでいた。
市民からは「この会見、相手の女性の気持ちを思うとかわいそうや」「市長の不徳だから辞職が当然では」などの批判が集まった永野市長だが、大阪維新の会に詳しい大阪府政関係者によると「永野一族は岸和田では有名な存在」だという。
「永野一族は社会福祉法人を持ち、岸和田市内で児童養護施設や認定こども園などを10カ所ほど運営しています。そのため、PTAなどを通じて集票力があるのです。
そうした背景もあり、父の孝男氏は岸和田市議会副議長、大阪府議会副議長を歴任。大阪府議会日華親善議員連盟会長も努め、大阪維新の会の創設に携わりました。
永野市長は孝男氏の地盤を引き継ぐ形で大阪府議、岸和田市長になりました」
そして自民党府連関係者は、岸和田特有の権力構造について言及する。
「実は岸和田税務署の存在が大きい。あまり知られていませんが、岸和田税務署は大蔵省時代から『登竜門』と言われています。元大蔵官僚の宮沢洋一自民党税務調査会長も、ここの税務署長を経験しています。岸和田はゼネコンから中小企業が混在する複雑な経済地域。ここで実績を積むことで、その後、本省で認められるのです。
こうした背景から岸和田市長は中央とのパイプを作りやすく、それが力の源泉にもなります」
永野市長の強気の背景が垣間見えるようだ。
( SmartFLASH )