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通販大手・ベルーナでおせち1万5000件が正月に間に合わず…「グルーポン事件」など“おせちトラブル”はなぜ毎年起こるのか?

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記事投稿日:2024.12.30 17:50 最終更新日:2024.12.30 18:33
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
通販大手・ベルーナでおせち1万5000件が正月に間に合わず…「グルーポン事件」など“おせちトラブル”はなぜ毎年起こるのか?

画像はイメージです。(写真・ACフォト)

 

 12月28日、通信販売大手のベルーナが、おせち料理の一部を配送できなくなったとHP上で発表した。商品出荷準備の手配にミスがあったという。配送できなくなったのは、「ベルーナオリジナルおせち結(和三段重)」(12月29日到着予定・10800円)と「ベルーナオリジナルおせち彩寿(和洋中三段重)」(12月29日到着予定・10800円)のセットの商品の一部。報道によると1万5000件に上るという。同社は、該当する注文者には個別に連絡するとしている。

 

 早速Xでは、ベルーナから連絡を受けた注文者が次のように投稿している。

 

 

《ベルーナおせちが届かない事件。昨日の夜「やっぱ届けます。でも31~3日の間です」って来たんだけど、昨日の夕方には既に別のところで確保済みだし、今更届けられても料金払えないから電話で問い合わせしたら「受け取り拒否してくれたら料金発生しないから大丈夫」って言われた。もちろん受取拒否!》

 

 今回のベルーナに限らず、おせちにまつわる過去のトラブルは枚挙にいとまがない。

 

 振り返ると2010年末、神奈川の飲食店バードカフェが制作し、外資系共同購入サイト・グルーポンで販売したおせちの中身が“スカスカ”だったという事件が発生した。当然、受け取った客からの批判が殺到した。

 

 見本写真からはかけ離れた少ない食材、“キャビア”と謳われていたものはランプフィッシュの卵、“フランス産シャラン鴨”は合鴨、“鰊の昆布巻き”はワカサギに変更されていた。そして市販の6Pチーズがそのまま入っているなど、“おそまつすぎる”状態が露見し、バードカフェは閉店した。グルーポンも2020年に日本から撤退している。

 

 また2019年には、ヤマト運輸が要冷凍のおせち料理1268個を冷蔵トラックで配送し、注文者に届けられなくなるトラブルが発生。そして2020年には、茨城県筑西市のふるさと納税返礼品のおせち料理の製造が間に合わず、約360件が配送中止に。90件以上が配送遅延となった。このときは筑西市が記者会見を開き、市長が謝罪する事態となった。

 

 毎年のように頻発する“おせちトラブル”。なぜこうした事態が後を絶たないのか。

 

「おせち市場は大きいため、早い段階から準備が進められます。

 

 2010年の“スカスカおせち”のときは、店側に大量発注をさばく能力がなかった。とにかく間に合わせるために、予定外の材料を使い、数だけ作ろうとして大失敗しました。

 

 筑西市のトラブルは製造自体が間に合わず、数も作れなかった例です。ヤマトの事例は流通上のミスですね。今回のベルーナもそれに近い。

 

 ただでさえ流通が混乱する年末に、大量の商品を年内に届けないといけないので、“おせち事件”が起こるのは構造上必然と言えるかもしれません」(経済担当記者)

 

 おせちのトラブルが続いた結果、Xでは《スーパーや百貨店で足りないのを買うくらいが良さそう》《自分で作るのが得策》といった投稿もなされている。やがて通販おせちは下火になっていくのだろうか――。

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