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【三菱UFJ貸金庫盗難事件】今村由香理容疑者「氷河期世代で総合職へ転向」経歴に集まる驚き
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2025.01.15 16:03 最終更新日:2025.01.15 16:03
2025年1月14日、警視庁捜査2課は窃盗の疑いで元三菱UFJ銀行員の今村由香理容疑者(46)を逮捕した。
同行は2024年11月22日、2020年4月から2024年10月の約4年半の間に練馬支店と玉川支店の約60人が契約する貸金庫から時価10数億円程度の金品が窃取されたと発表していた。この時点では同容疑者の名前は伏せられていたが、逮捕の報道で明らかになった。
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社会部記者はこう話す。
「2024年10月31日に事件が発覚し、今村容疑者はその後、銀行の事情聴取に応じていました。そして、同年11月14日付で懲戒解雇されています。
現時点での容疑は、2024年9月に練馬支店の貸金庫から金塊約20kg、時価総額2億6000万円相当を盗んだというもので、今村容疑者も認めています。
貸金庫管理責任者の立場を悪用し、お客が持つ正鍵ではなく、銀行側が管理している副鍵を使って犯行に及んでいます。本来なら鍵は厳重に保管されているはずでしたが、今村容疑者が好き勝手に顧客の貸金庫を開けられる状況だったということで、銀行側の管理責任も重大です」
犯行動機には、今村容疑者の私生活における“莫大な損失”があったと見られている。同容疑者は、2013年に民事再生法の適用を申請し、東京地裁に認可されていた。
「金塊は都内と千葉県内の7カ所の質店に質入れし、約1億7000万円の現金化に成功していた模様。これ以外は、ほぼ現金を貸金庫から盗んだと供述しているようです。発覚を遅らせるために、ほかの客の資産で補填したり、時には貸金庫システムの電源を切り、故障を装うなどの偽装もおこなっていました。
盗んだ金について、今村容疑者は銀行員に禁じられているFX投資などに充てたと供述しています。金塊は売却ではなく質入れしている状況などから見ると、FXなどの投資で、これまでの負けを取り返し、あとでこっそり貸金庫に戻そうと計画していたのかもしれません」(前出・社会部記者)
一方で、今村容疑者は入行25年のベテラン行員。前出の社会部記者も、「貸金庫の管理責任者になるほどですから行内でもかなり信用され、ふだんの仕事ぶりも高く評価されていたようです」と語る。ゆえに、入念な“証拠隠滅”も可能だったのかもしれない。
彼女は都内の短大を卒業後、事務や窓口業務などを補助する一般職として、1999年に合併前の東京三菱銀行に入行した。その後、一般職からキャリアアップし総合職に転向。
2020年4月から2022年6月まで江古田支店の営業課長を務めた後、2024年9月までは練馬支店の営業課長、営業課支店長代理となり、2024年10月からは玉川支店の営業課支店長代理として勤務していた。
今村容疑者が入行した1999年はまさに就職氷河期の真っただ中にあった。そうしたなかでメガバンクに就職し、そして昇格試験を突破して総合職にキャリアアップしていたのだが――。
こうした経歴について、Xでは《貸金庫から盗んだ金品をしっかり記録してたみたいでシゴデキだな。さすが氷河期にして三菱UFJ銀行員総合職の女》《就職氷河期に都銀トップの東京三菱銀行に採用されてるのだから、普通に優秀なんだろう》《氷河期世代なんだね。優秀な人だったんだろうなぁ…なんて考えてしまう》と驚きの声が聞かれている。
前出の社会部記者はこう話す。
「都内の自宅では夫と義父と住んでいたようです。それにしても就職氷河期において短大卒業後に一流銀行に就職し、さらに一般職から総合職になり、支店長代理まで務めて、順調にキャリアを積んでいた今村容疑者。
三菱UFJフィナンシャル・グループのマネジメント職(次課長以上のポスト)の女性比率は2023年3月末時点で19.6%であることから、同行のなかでも間違いなく優秀な人材だったであったと思われます」
どんなに仕事ができようとも、他人の資産に手を付けるのは決して許されることではない。
( SmartFLASH )