社会・政治
石丸伸二氏、新党「再生の道」発表会でひと悶着!「この腰抜け」大手メディアだけを集めた会見に“排除記者”が怒り
昨年7月の東京都知事選で“石丸旋風”を起こした石丸伸二氏が1月15日、都内で記者会見を開き、新党「再生の道」の立ち上げを発表した。だが、記者クラブに所属する大手メディアだけを集めた会見に、“排除”されたフリーランスの記者たちからは怒りの声が上がっている。
「新党結成は、夏の都議選に向けて発表されたものですが、会見は当初1月15日に都庁記者クラブでおこなわれる予定でした。ところが、13日に石丸氏は自身のXで会見の中止を報告。その理由を《記者クラブ宛に出した案内がネットに流出し、日時と場所が広く知られてしまったことが原因です。記者クラブには『取材目的の希望者は出席を制限しない』と言われたため、誰が来るかわからない状況は種々のリスクが高いと判断しました》と説明しています」(政治部記者)
結局、場所を東京都庁から都内の会議室に変更して、会見は当初の予定どおり15日におこなわれたが、「マス媒体の有無もしくは、登録者数100万人相当のネット媒体を有する媒体」という参加基準がつけ加えられた。
「変更によって、大手メディアと登録者数が100万人を超えるYouTubeチャンネル『ReHacQ−リハック−【公式】』以外のネットメディアやフリーランス記者は、“排除”されることになりました。フリーランス記者は、クラブ所属の記者よりも厳しい質問を投げるケースが多いので、こうした“うるさ型の記者”を排除したい思惑が透けて見えます」(同前)
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大手メディアで唯一、会見場に現われなかったのがテレビ朝日だ。
石丸氏は、都知事選後にテレビ朝日系の情報番組に出演。その際に放送されたVTRで「石丸パワハラ気質」とテロップを流されたことで「めちゃくちゃ怒り心頭」とXに投稿していた。今回の会見で石丸氏は「テレビ朝日がいないと会見始まらないんですけど……」と挑発していた。このことにテレ朝は、石丸氏に“敵認定”されたとインターネット上では話題になった。
だが、怒りを隠せないのが、会見から“排除”されたフリーランスの記者たちだ。
フリージャーナリストの鈴木エイト氏は、直前まで会見に参加する許可を得ていたと明かした。
「都庁記者クラブで会見すると言われていたので、前々日に記者クラブに連絡して参加の許可を得ていたんです。その後、記者クラブの幹事社から『会見はなくなりました』と連絡がありました。
そのため別ルートから会見の案内を入手し、連絡先として記載のあった石丸氏の後援会担当者に連絡したのですが返答がなく、会見前日の午前中に電話が繋がり、『申し訳ないんですが、今回は参加できません』と言われました。担当者から『個人的にはフルオープンでやりたいが、石丸氏が明確にマス媒体か登録者100万人以上のネット媒体という条件を出しているので、それ以外の方はすべてお断わりしている』と説明されました。石丸氏は都庁記者クラブの幹事社、時事通信社が会見の日時や場所の情報を“漏洩”したからと批判し、『プロ失格』と言っていましたが、普通のメディア関係者なら、会見には参加できるものなので、この過剰ともいえる対応は疑問です」
会見場で「入れろ、入れない」の押し問答になったのが、同じくフリージャーナリストの横田一氏だ。横田氏も石丸氏の会見担当者に、会見参加の許可を得ていたという。
「13日の段階では、問題なく参加できると思っていたんですが、突然、基準が変わったんです。会見でこんな参加基準は前代未聞です。石丸氏側の担当者には、メールで質問を送りました。『基準を設けた理由は何か?』『これは実質的な記者排除、差別的報道対応じゃないか』『厳しい質問をする記者を排除するためか』。答えは『諸般の事情により』というだけでした。
旧統一教会の会見でも“排除”された経験がありますが、石丸氏が『自分たちが絶対正しくて、批判する人が悪い』という善悪二元論ならば、旧統一教会と同類です。自民党総裁選の取材では、フリーの記者も自由に参加できました。今回の石丸氏の“排除”は、自民党以下です」
フリーの記者ではないが、“排除”された経験を持つ「東京新聞」の望月衣塑子記者も、石丸氏の変節を批判した。
「石丸さんは、今まで大手マスコミ記者クラブに対して非常に批判的でした。ところが今回の会見では『マスコミの皆さんに頑張ってほしいんです』と、取り入るようなことを言っていましたが、これに違和感を感じました。
一方で、『誰でも入れる会見だと“自称ジャーナリスト”が押し寄せる懸念がある』と、記者クラブメディアとそれ以外のジャーナリストに明確な線引きをしたのです。大手マスコミの記者は手厳しい質問をしないが、フリーランスのベテラン記者の質問には気圧されてしまう。それが怖いんでしょう。これが想像どおりなら、石丸さんは公党の責任者としては、あまりに“チキン”、腰抜けすぎますよ」
意に沿わないものは排除では、“再生”はほど遠い。