社会・政治
「斎藤知事のパワハラ認定」誤報に百条委員会・奥谷謙一委員長が憤慨…明かした「訂正要求のやり取り」と本当の「議論の現在地」
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを調査している県議会特別調査委員会(百条委員会)が、「チャットを使った業務時間外の職員への指示」などをパワハラ認定する方向で調整していることがわかったなどと、1月22日夕方に「MBS NEWS」が報じた。
しかし、この一報に対して“当事者”である百条委員会の奥谷謙一委員長がすぐさま反応。同日中に「事実と異なる」と報道を否定し、MBSに訂正を要求したという。
本誌は1月21日に公開した奥谷氏へのインタビュー記事のなかで「1月27日に委員会を開くにあたり、事務局と調整しているところですが、委員長として一定程度の私案を示し、それについていろんな委員から意見をもらって、報告書をまとめていく形になろうかと思います」という奥谷氏が考える“結論までの道のり”を報じていた。
さらに「委員さんの間でも意見の相違はあり、もちろん議論を重ねていきますが、意見が平行線でまとまらなかったときはまた、考えないといけないなと思っています。ただ、いずれにしても年度内には結論を出したい、報告書をまとめたいと思います」とも、奥谷氏は話していたのだった。
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あらためて、奥谷氏に“誤報”について、話を聞いた。
「22日夜、MBSに『この報道は誤っています。訂正していただけないか』と訂正を要求しました。折り返し連絡があり、『パワハラ認定に向けて調整中』という報道は変えずに、私がそれを否定しているという報道をしますと言うので、私は『それは訂正ではないですね。今後の取材は控えてください』と申しあげました。
そういう間違った報道をされると、かなり悪影響があると思っています。MBSには訂正をしていただけない限り、百条委員会に関しては、私は取材を受けないということを伝えました」
事実と異なるとは具体的にどういうことなのか。奥谷氏が続ける。
「とにかく『パワハラ認定に向けて調整中』なんてことはいっさいなくて、今、まさしく百条委員会をどうやって取りまとめていこうか、という話をしているので、何にも決まっていないんですよ。
おそらく、MBSの主張としては、百条委員会の委員の誰かが『パワハラは認定できるやろう』とか『それに向けて、みんなやるやろう』みたいなことをたぶん言ったのではないかと。ある委員の願望に近いものを『調整中』といった形で、そのまま報じてしまったのかもしれません。
委員のなかでまだ意見の相違があります。たとえば、斎藤知事が職員に対して夜間にチャットを送っているということについても『これは仕事に必要な範囲のチャットでしょう』と思う人もいるし『夜にこんなの送るなんてもうバカだよ』と思う人もいる。
その辺の整理をどうするかというのは、これからなんです。まだ、何も話し合いしていない。ですから、まだ何も議論していないのに『そんな調整中なんてどこから聞いたんや』と私は思っています。いずれにしても年度内には報告書をまとめたいと思います」
1月27日の午前から始まる百条委員会では、どのような議論が交わされるのかーー。