社会・政治
「応援します」傍聴した周防正行監督も “冤罪被害” の盟友Pにエール…ワーナーブラザース日本支社「不当解雇」裁判が始まった!
米国の老舗映画会社「ワーナー ブラザース」の日本支社にあたる「ワーナー ブラザース ジャパン」(以下、WBジャパン)。
同社社員プロデューサーの関口大輔氏が、WBジャパンからの不当解雇の無効を求めて訴えた民事裁判の第1回口頭弁論が、1月30日に東京地裁でおこなわれた。
本誌「SmartFLASH」は、WBジャパンが提訴された事実を事前にキャッチし、関口氏に取材をおこなっていた。
1月27日に、WBジャパンの “冤罪解雇” やパワハラに憤る関口氏の思いや、彼のフジテレビ時代の先輩でもある同社の小岩井宏悦プロデューサーによる「デマの流布」について、報じていた。
「関口氏は、フジテレビ在籍時から『ウォーターボーイズ』(矢口史靖監督)、『それでもボクはやってない』(周防正行監督)などヒット作を連発。WBジャパンに移籍後の2022年には『余命10年』(藤井道人監督)で興行収入30億円以上のヒットを飛ばすなど、映画・ドラマ業界において有名プロデューサーとして知られています」(映画ライター)
【関連記事:「ワーナー ブラザース」日本支社“冤罪”解雇を『それでもボクはやってない』有名Pが実名告発…『はたらく細胞』でも“手柄横取り”被害】
2023年1月からWBジャパンの邦画製作部長に就任した関口氏。しかし、2024年3月末にそれまでのWBジャパン日本代表が退任すると、上席執行役員の山田邦雄氏を中心に現場や会議から外されるというハラスメントが頻発。
もともと担当していた映画『はたらく細胞』でも関口氏のクレジットは外され、代わりにいっさい作品に関わっていなかった小岩井氏の名が連なるという “被害” が起きていた。
そして、関口氏は金銭などにまつわるあらぬ疑いをかけられ、2024年9月にWBジャパンから解雇された。しかし、これらについて、本誌が取材した同社の元幹部社員は “冤罪” だ、と断言しており、関口氏も撤回を求めるため、訴訟に動いた形だ。
30日の第1回口頭弁論は、午前10時に開廷。まず、裁判官が原告側と被告側に証拠類や原本の確認などをおこなったあと、関口氏が意見陳述書を淡々とこう読み上げた。
「私は子どものころから映画が大好きで、映画製作者になるためにアメリカ留学をしましたーー」
陳述書を読み上げるなかで、関口氏はWBジャパンに貢献してきた同僚社員が一斉に降格処分を受けたことの不可解さを指摘。その後のWBジャパン社内で起きたハラスメントや “冤罪” による解雇への悲しさが語られた。
関口氏はこうした行為について「不当解雇、悪評の流布、このようなやり方は違法であり、これまで社内で問題にされたことは一度もありませんでした。会社は私を業界から抹殺しようとしています」と強く訴えた。
そして、次のように語り、陳述を締めくくっている。
「明らかに裁量を超えた業務命令を出し、私の懸命な主張を無視し、解雇通知を送りつける行為が、どれほど私や家族の人権を踏みにじり、平穏な生活を奪った不当・不正な行為だったか」
一方のWBジャパンの代理人弁護士は、関口氏の主張について「いずれも事実ではないと引き続き主張していく」などと述べた。
関口氏の悲痛な訴えを傍聴席で聞いていたのは、本誌記者を含め、10人ほど。そのなかには、関口氏が手がけた映画『それでもボクはやってない』でメガホンを取った周防正行監督の姿もあった。
メモを取りながら傍聴していた周防監督に、口頭弁論終了後、本誌記者が声をかけると、こうコメントしたのだった。
「関口さんには『それでもボクはやってない』では力をいただいて。商業映画としては難しいと言われたなかで、きちんと商業映画としてやらせていただいて、しかもヒットをして、一緒に作ったという気持ちが強いです。
詳しいことは知らなかったのですが、関口さんが解雇されたと聞いて、気になって、今日は来ました。
全面的に信頼している人です。お互いに映画好きなので、(関口氏が)フジテレビに入った経緯とか、いろいろと話をしてきました。関口さんは映画が好きで、いい映画をつくりたいという方なので、いろいろな話ができました。ときどき『ヒットさせたい』というそれが一義のプロデューサーもいるのでね。
関口さんは映画好きだったので、僕の言うことにもきちんと耳を傾けてくれて、それを実現するにはどうしたらいいかということを考えてくれるプロデューサーでした。もちろん、裁判では関口さんを応援します。(被告側は徹底的に争うみたいですが?)裁判とはそういうものです」
関口氏の “それでもボクはやってない” という訴えは届くのかーー。