社会・政治
総裁選敗北で“浪人状態”河野太郎氏が料亭で会食した相手とは…“充電期間”にたどった“デジタル人脈”
![総裁選敗北で“浪人状態”河野太郎氏が料亭で会食した相手とは…“充電期間”にたどった“デジタル人脈”](https://data.smart-flash.jp/wp-content/uploads/2024/08/27173242/kono_taro1_1.jpg)
2024年8月、自民党総裁選に出馬を発表した河野太郎氏
1月下旬、東京港区のとある料亭で、ある大物政治家が舌鼓を打っていた。退店すると、寒かったのか“地元”湘南ベルマーレのダウンコートを着込み、闇夜に消えていった──。
「店にいたのは、衆院神奈川15区選出で現在10期めの、河野太郎氏です。河野氏は、外相や防衛相など要職を歴任し、“改革派”として知名度は高く、かつては『次の総理にふさわしい人物』として世論調査でも高い人気を得ていました。ところが、マイナンバーカードの導入や、新型コロナウイルス流行時のワクチン対策の手法などが『強引だ』と批判を浴びて、人気が急落。2021年の自民党総裁選では、総裁となった岸田文雄氏に迫る2位の得票数を得ていましたが、2024年の総裁選では9人中8位と、惨敗の結果となりました。
【関連記事:「河野太郎がキレてそう」Xの仕様変更「ブロック相手にも投稿が読まれる」に不満続出…イジられる “ブロック太郎” の存在感】
河野氏が所属する麻生派の領袖である麻生太郎氏は、河野氏の総選選出馬に関して『まだ早い』と言い続けてきましたが、実際、そうでした。総裁選後、河野氏は党の選対委員長代理という“閑職”に就いたぐらいで、ほぼ無役。世間からの注目を集めることも少なくなり、永田町では、すでに“終わった人”の烙印を押されています」(政治部記者)
政策も不評で、総裁選も惨敗と、辛酸をなめてきた河野氏。新聞などでも取り上げられる頻度も減ったが、河野氏のブログ「ごまめの歯ぎしり」などによると、年明けから多忙だったことがわかる。
1月6日には、地元・神奈川県平塚市の漁業協同組合を訪問。自身の誕生日であった10日は、行政デジタル改革共創会議で、平井卓也氏など歴代デジタル大臣らとデジタル政策に関するディスカッションをしている。26日には鳥取県倉吉市で『AIを使った自治体運営』をテーマに、政治塾の講師を務めた。河野氏とは30年来のつき合いだという政治評論家はこう言う。
「ブログではSNSやAI、マイナンバーカード、年金、103万円の壁、量子コンピュータなど、関心のある政治的に重要なテーマについても、しっかり発信しています。30年前、河野氏に最初に会ったときに聞いたのが『オレは総理をやるために政治家をやってるんだ』という言葉でした。河野氏は、けっしてあきらめたわけじゃないでしょう。いずれ、自分にも“順番”が回って来ると考えているはずです。いまは、総裁選敗北というどん底から再出発をするために、自分の考え方をきちんと整理しようとしている時期ではないでしょうか。そうでないと、ただの偏屈な人間と思われて、それで終わってしまうかもしれないです。
河野太郎という政治家は“人たらし”が苦手で、先輩でも偉い人にでも直言する、ときには暴言を吐くわけです。自分が勉強したことがすべてで、自分を曲げないんですよ。そこが欠点でもありますが、もしかしたら、いずれ自説を曲げない河野氏の時代が来るかもしれません。おそらくほかの総裁候補が語れないような、SNSやAIなどデジタルのテーマを引っ提げて“出直し”を考えているんだと思います。いまは、そのための“充電期間”なんですよ」
そんな“浪人”河野氏と料亭で会食をしていたのは、現デジタル庁参与の伊藤伸氏を含む計4名だった。伊藤氏は政策シンクタンク「構想日本」の総括ディレクターで、河野氏が規制改革担当相、ワクチン担当相だった2020年10月から2021年9月まで内閣府政策参与を務めた。ちなみに、伊藤氏の著書『あなたも当たるかもしれない「くじ引き民主主義」の時代へ』の帯には、河野氏が推薦文を出すほどの仲だ。
「河野氏のデジタル相時代の売りは、デジタルとワクチン。ワクチンではだいぶミソをつけましたが、デジタルはこれからも売りにしていきたいということでしょう。だから、デジタル庁時代の関係者と会っているわけです。河野氏なりに数少ないルートをたどって、なんとか巻き返そうとしているわけですが、逆にいえば、当時の関係者にしか相手にしてもらえないということかもしれません」(同前)
再起への野心はいささかも衰えていないようだ。デジタルが、そのための“武器”となるのか――。