社会・政治
品川区「制服」完全無償化に集まる称賛…制服1着3万円超、修学旅行7万円超の “隠れ教育費” に寄せられる親の嘆き
2月5日、東京都品川区が2026年度から公立中学校に入学する生徒を対象に、制服を全額無償化することがわかった。「朝日新聞」などが報じている。
2023年度の調査では、区内の生徒1人あたりの制服の価格は3万〜5万円ほど。2026年度の対象者は1930人で、品川区は予算1億円を計上するという。品川区によれば、東京23区や政令指定都市での制服無償化は全国初になるという。
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「そのうえ、品川区は2025年度からは公立中学校の修学旅行費も1人あたり7万5000円を無償化するといいます。こちらの予算は1億3500万円。いずれも、所得制限は設けないとのことです」(社会部記者)
文部科学省は隔年で「子供の学習費調査」を実施しており、そのなかで教育にかかる家庭の負担が明らかになっている。前出の社会部記者が続ける。
「2023年度の調査では公立中学校は1年間でかかる学習費は約54万円です。中学校の学習費は『学校教育費』『学校給食費』『学校外活動費』に分けて調査されています。
『学校外活動費』は学習塾や習い事などにかかる費用で、2023年度の調査では約35万円ともっとも高いのですが、これは各家庭によって差が生じる部分。ニュースとなっている制服代や修学旅行費は『学校教育費』に含まれています。
品川区はこの部分を1人あたり約12万円をタダにするというのですから、物価高が進むなかで、子育て世代の親にとって家計負担減につながり、かなり助かる政策になります」
Xでは、品川区の無償化に《素晴らしい》などと称賛する声があがるなか、こうした支出、いわば “隠れ教育費” と呼べる費用の高さについての意見も聞かれた。
《制服って高いんだよね。経済的な理由で買えない家庭もあるから、スタートラインが公平になることはいいこと》《こんなに制服高いのかと親になって驚いた》《小中校の副教材や指定カバンなどで必須品も無償化して欲しい。加えてIT機器は買取ではなくリースにして無償に》といった嘆きがX上ではあふれている。
前出の記者がこう話す。
「品川区は、事業の無駄を排し、財源を捻出するなどして、2024年度予算で品川区民の幸福に財源を振り分ける『ウェルビーイング予算』を発表しました。2024年4月から、公立小中学校の学用品の全額無償化を所得制限なしで導入。これには、書道具、絵の具、学習ドリル、彫刻刀、アサガオの栽培キットなどが含まれます。
文科省の2023年度の『子供の学習費調査』によれば、学用品の1人あたりの年間費用は公立小で3万2487円、公立中で3万4351円ですから、これについても子育て世代の家計負担減につながっています」
「楽しい日本」を掲げる石破茂首相にも、ぜひ日本国民の幸福に財源を振り分けることをお願いしたい。