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箱根名門旅館オーナーが3億円詐取容疑で逮捕「女を連れ込めないと」関係者が明かす経営手腕への“失望”とは

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記事投稿日:2025.02.11 20:10 最終更新日:2025.02.11 20:10
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
箱根名門旅館オーナーが3億円詐取容疑で逮捕「女を連れ込めないと」関係者が明かす経営手腕への“失望”とは

箱根で名の知れた高級旅館である金乃竹仙石原(写真・同社ホームページより)

 

「家族経営は限界。でも、この松坂屋本店の名前だけは残したい。前のご主人はそうおっしゃっていたんです。それがこんな恥知らずなことで全国に知られてしまうなんて」

 

と、がっくりと肩を落とすのは箱根町の老舗旅館「松坂屋」近くの商店主だ。

 

 1月5日、横浜地検特別刑事部は、新型コロナウイルス禍で低下したインバウンド(訪日客)の周遊促進や観光地支援を目的とした補助金を詐取した疑いで、同町の不動産会社「ロハス」社長の窪沢圭容疑者を逮捕した。窪沢容疑者は箱根町に「金乃竹塔ノ澤」、「金乃竹仙石原」などの高級旅館を所有。ほかにも日帰り温泉施設やすし店などの飲食店を経営し、さらに同町で温泉旅館ホテル組合長を務めるなど実業家として知られていた。大手紙の県版担当記者はこう解説する。

 

 

「窪沢容疑者は、同町の有名な旅館経営者の長男です。逮捕の容疑は、経営する3つの旅館の改装費について、建設業者の見積もりは約3億円程度としているところ、大幅に水増したというもの。見積書の数字を倍以上の約6億5千万円に書き換えていました。実際にかかった費用の半額を補助する制度を利用していたので、仮に容疑が事実なら窪沢容疑者は手元資金をまったく使わずに旅館の改装をしていたことになります」

 

 補助金詐欺の“現場”になった3軒の旅館のうち、特に創業360年超の「松坂屋本店」は江戸時代末期に木戸孝允と西郷隆盛が会談した場所で、この会談が後に江戸幕府を倒すことになる「薩長同盟」の足掛かりになったとされる。老舗旅館が数多くある同町でも屈指の名門だったという。

 

「経営が苦しくなり、コロナ禍が始まる前には以前この旅館を経営していた一家が窪沢容疑者に売ったんです。窪沢容疑者としてもこの老舗旅館を手にしたことがうれしかったのか、公の場では自身の肩書として松坂屋本店代表取締役を使うことが多かったのです。実際、地元誌の取材にも、『松坂屋本店の暖簾を守りたい。この旅館の歴史の深さを知らない人には任せられない』と、同旅館の経営を引き継いだ理由を話していました」

 

 しかし、冒頭の商店主はまったく違う印象を持っていたという。

 

「窪沢さんが引き継いでから、すぐに大掛かりな改修に着手しました。他の『金乃竹』系の旅館と同じように部屋付の露天風呂を設置し、これまでの家族旅行客向けから、男女のペア旅行客向けに仕様変更をしたんです。じつは、前のご主人とご家族は従業員として残っていたのですが、これまでのような常連の家族客が相手ではないことで体調を崩してしまい、結局、辞めてしまったようです。経営権譲渡の費用は、今後の雇用の維持と相殺されるような契約になっていたので、旅館関係者のほとんどは、買収ではなく『乗っ取りにあったようなものだ』と話していたんです」

 

 とはいえ江戸時代に建築された同旅館は、客部屋の仕切りも襖や障子がほとんど。客同士のプライバシーが充分に保たれているとはいえない状態だった。

 

「窪沢容疑者による改修が、昨今の、特に箱根町の旅行需要に合致していることも事実なんです」

 

 と分析するのは、同町の強羅地区の旅館関係者だ。

 

「じつは、ある大物タレントと有名女性アーティストの交際が発覚したのは、『金乃竹』系の旅館での密会でした。窪沢さんは、『女を連れ込めるエロい旅館じゃないと、今後の日本旅館は生き残れない』とよく話していました。それじゃまるでラブホテルじゃないかと、地元の反発もありましたね。

 

 窪沢さんは箱根町の狭い道路いっぱいの車幅のある超高級外車を走りまわすなど、なにかと派手な人でした。従業員として働いた『松坂屋本店』の前のご主人も戸惑ったと思います。とはいえ、窪沢さんの経営する旅館の満室率が高かったのも事実です。ワンマン社長でしたから、今回の逮捕で系列旅館や飲食店がどうなってしまうのか心配です。特に、『松坂屋本店』には歴史的に価値のある調度品がたくさんあります。今度こそ、真っ当な経営者に引き継がれればいいのですが……」(旅館関係者)

 

 名門旅館の混乱はしばらく続きそうだーー。

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