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早稲田大に中国人受験生が殺到…敷地内の高級ホテルは連日満室“受験が楽”“欧米より安い”メリット満載

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記事投稿日:2025.02.17 13:05 最終更新日:2025.02.17 13:05
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
早稲田大に中国人受験生が殺到…敷地内の高級ホテルは連日満室“受験が楽”“欧米より安い”メリット満載

早稲田大学のキャンパス(写真・時事通信)

 

「自分が大学生だったころの中国人留学生は、ほぼ全員がアルバイトをして生計を立てていました。今は、8割が親からの仕送りで暮らしているそうです。隔世の感がありますよ」

 

 と語るのは、高校卒業後に日本の語学学校に入学。翌年に都内にある難関私大に合格、現在は日系の大手金融機関に勤める趙岳氏(仮名)だ。

 

 

 早稲田大学法学部の一般選抜試験があった2月15日、大学内の敷地にある高級ホテルのロビーでは、受験生の親子でごった返したという。ただ、聞こえる言葉は中国語ばかりーー。

 

 じつはこのホテルでは数年前から同大の法学部、政経学部、商学部、国際教養学部、理工学部の入試日は、決まって同じ光景が繰り広げられているというのだ。前出の趙氏がこう続けた。

 

「中国の富裕層の間では親が同伴して数日前から試験会場近くのホテルに宿泊することが常識になっています。入試日に降雪などがあって試験時間に間に合わないと困るので、なるべく入試会場に徒歩で行ける範囲のホテルを取るということです。早稲田大学は主要学部の入試日が固まっているので、2週間近くも親子で宿泊していたケースもあると聞いています。宿泊費はだいたい150万円くらいかかったそうです」

 

 今、ほとんどのホテルは、当日の予約者数を反映して宿泊料金が決まるダイナミックプライシングを導入している。そのため、予約者数が多い日は当然、宿泊料金が高額になる。前出のホテルでは14日の宿泊料金が一時、1泊25万円まで上昇したという。14日以降の空室はさすがに値下がりしたが、それでも6万円を超えている。

 

 この現象は、周辺のホテルでも発生していた。同大のJRの最寄り駅である高田馬場にあるビジネスホテルもこの時期は2万円から3万円で推移するという。受験シーズンは、毎年、インバウンドによって都内のホテル宿泊費が高騰する中国の旧正月(春節)の時期に匹敵するレベルだという。

 

 早稲田大学のHPによれば、現在、中国からの留学生は3356人で、全留学生の半分が中国人だという。早稲田大学が中国人に人気がある理由は、「入試科目にもあると思います」とは、大学入試予備校の関係者だ。

 

「早稲田大学の一部の学部では外国語試験で中国語が選択できるんです。さらに、言語の違いの影響が少ない数学が試験科目にあることも大きいと思いますね。

 

 ただ、そもそも、中国人受験生に外国語として中国語の試験を選択可能にしてしまうのは、母国語が日本語でありながら英語を選択する日本人受験生にとっては不利でしょうね。大学としては、質の良い学生を集めるためなら中国人だの日本人だのと言っていられないということかもしれません」

 

 とはいえ、趙岳氏がこうため息をつく。

 

「もともと早稲田大学は中国の高校に対しても指定校推薦枠を設けています。また、国家主席だった江沢民氏が来日の際に訪問したことで、早稲田大学は中国人にもよく知られています。日本は物価が安くて治安もいいし、人種差別も少なく、中国にも近い。さらにいえば、学費は年間140万円程度で、最低でも4万ドル(約600万円)は必要な米国の大学よりも安い。中間層の中国人でも子供を留学させることが可能です。おそらく今後も中国からの受験生は増加します。大学にとってはうれしいことでしょうが、果たして日本の皆さんがどこまで納得できるのか、わかりませんね」

 

 来たいと思ってもらえるだけマシなのか……。

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